第2章 2話

ある日部隊の代表である私とロイは、会議室に集められた。


「部隊の出撃命令が下された。貴官らの部隊は、七日の内に準備をするように」



ここ、エデン軍備施設教育場では、特に優れた技術を持つものが集まり、三人組の部隊というものが作られる。他の教育場や、軍事施設にもそのような制度があり、ここには三部隊ある。

命令が下された部隊は、二部隊。

私、ユージラ、セザンヌといった、戦場で主に様々な範囲のサポートに回れる″SVY 部隊″と、

陸軍強化兵で、俊敏性のあるロイ、

医療強化兵であり、またスパイの技術や暗殺の技術も持つシャゲリタン、

陸軍、空軍強化兵で、回りの異変にいち早く気づけるノルタで結成された、″仮面部隊″だ。


もうひとつの部隊は、裏方向きな仕事が多いので、この命令は下されなかったのだろう。



主な仕事は、此方側の勝利として終盤を迎える戦場のサポートと、生き残ったアンドロイドの殲滅だ。随分と容易で、終わった後には休暇も貰える嬉しい仕事だ。強化兵とはいえ、給料がもらえるのだ。帝国の余裕のなさの現れだな。

今、多くの兵が帝国のすぐそばの地帯で奮闘している。ある戦線に穴が開いてしまい、アンドロイドどもが攻め混んで来たのだ。軍の活躍により数はいくらか減らされているそう。


しかし、油断は禁物である。

我々の軍隊に、敵一人でも混じっていたとしたらひとたまりもない。自爆で終わりだ。

そして、弱ったアンドロイドや機械を逃がしてしまうと、知識を持ったまま回復した状態で次に挑まれるので、それだと非常に困るのだ。


なので、私達は訓練を怠らない。

午後から、集合の号令がかけられている。

その前に腹ごしらえだ。


「ロイ、食事にしよう。私の勝ちだから奢ってくれるよね?

私はローストビーフが食べたい気分だなぁ。」



「...仰せのままに、ヒールの女神さん。」

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