第23話 女子会と温泉旅行

「え? おじいちゃんから温泉旅行の招待状が来たの?」


 神沢勇かみさわゆうは『新宿人狼事件打ち上げ飲み会』で姉の神沢優かみさわゆうからそんな話を切り出された。


「というか、ここのメンバー全員に招待状が来てるんだけど」


 神沢優は女子会メンバーのちょっと驚いた顔を見渡した。

 いつものダークピンクのサイバーグラスをかけていて表情は読めない。 

 公安警察所属であるが、秘密結社<天鴉アマガラス>のリーダーという顔の方がここのメンバーにはお馴染みである。

 


「私も行けるんですか?」


 現役女子プロレスラーの神沢勇の付き人である風森怜かざもりれいがメンバーリストに入ってることに驚いている。


「私も入ってるの? 神沢のお爺さんの所はごぶたさだから、たまには顔出すかな」


 道術士という珍しい職業の風守かざもりカオルはいつもの黒いジャージ姿というラフな格好である。


「俺も入ってるの?」


 公安警察の神沢優の部下である安堂光雄は女子会の中に白一点で混じっている。


「そりゃ、私が行くんだから、安堂君には来てもらわないとね」


 神沢優は当然のようにいう。


「私も参加できるのか。温泉旅行いいなあ」


 元美少女アイドル歌手だが、最近は秋月流柔術の当主としての活躍が多い秋月玲奈が楽しそうな顔をしている。

 『新宿人狼事件』では大活躍であったし、むしろ生き生きしている。


「お姉さま、わたくしも参加でよろしゅうございますか?」


 月読波奈つくよみはなは今日も黒のゴスロリファションだが、牛乳瓶的な厚底メガネをかけている。


「波奈は来てもらわないと困るわ。おじいちゃんは波奈ファンだから」


 神沢優はレア情報を開示する。

 全く何も疑ってない女子会メンバーの楽しそうな様子を眺めつつ、安堂光雄はメッセージアプリ「LIME」でメールしていた。


(飛騨さん、何か見えてないですか? うちのボスが水中空母<黄龍>の出撃を秀吉さんに要請してたんだけど)


(温泉旅行という罠の話ですか? まあ、何か凄い光景が見えるんですが、皆さん来てももらわないと困りますね)


(どういうこと?)


(そりゃ、戦力が落ちるので苦戦とういうか。誰一人欠けることなく来てもらわないと。完全武装で。というよりこちらで用意するとは思いますが)


(そんなにヤバイの?)


(生きて還れるかどうかというレベルです)


(そんなに。結末までは見えないのかな?)


(それは見えません。ある意味、幸せかも)


(了解。いつものことだが、覚悟するしかないなあ)


(俺、戦闘要員じゃないんで、非常に困る)


(大丈夫です。機動人型兵器というか、ボトムストライカーあるので)


(実用化されてんの? あれ、ゲームじゃなかったの?)


(<刀撃ロボットバトルパラダイス>はボトムストライカーのパイロット養成の秘密結社<天鴉アマガラス>の陰謀だったりするのですが)


(え? そうなの? 自分のことはあんまり見えないもので)


(そういうことです)


(ゲーム真面目にしてて良かった)


(そう、何が幸いするかわからないですね)


 飛騨亜礼から苦笑の顔文字が送られてきた。

 安堂光雄もいつものことながら覚悟を決める。

 喜び過ぎの女子会メンバーをみつつ、チューハイを一口飲んだ。



 

 




(あとがき)



 まだ未完結のこの小説読まないと意味が分からない回でした。



人狼戦記~少女格闘伝説外伝~

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885648538



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る