第8話 商品企画会議
「それでは第一回、商品企画会議を開催します!」
村上春樹はやる気満々で高らかに宣言した。
「ガンるぞー!」
と絆も小さく手を上げた。
「・・・・・・」
だが、ベトナム人バイトリーダーの
たぶん、時給問題がくすぶってると思われた。
東京辺りにいけば、外国人と言えども950~1350円ぐらいの時給はもらえるが、村上一家のコンビニは困窮していたため、時給800円で雇用していた。
島根県の最低賃金は764円なのでぎりぎりセーフだったのだが、今や日本のベトナム人は24万人にもなり、中国人を抜いてその数はトップレベルになっている。
国際問題にならなければいいがと、いつも母親の村上妙子などは心配していた。
「じゃあ。私から提案しますね。商品企画会議ですが、今回はべトナム人バイトさんの時給を上げたいと思ってます」
「じぇじぇじぇじぇ――」
「時給950円に値上げします! 今まで頑張ってくれてありがとう!
妙子の言葉に、
「――ワタシ、ウレシイデス。オカアサン、ダイスキデス!」
春樹は気が気でないが、絆が手で制した。
この高時給戦略は、当然、AIの妖精ルナの指示である。
村上家のコンビ二の利益率が改善してきたので、慢性的人手不足を解消するための思い切った施策であった。
ベトナムではコンビニ時給は100円ぐらいで、
留学生のブローカーの渡航費は100万は超えるので、日本での生活は決して楽なものではなかった。
村上家のコンビ二では、さらに月数万の住居費を補助してコンビニバイトを確保していた。
「良かったね。
絆は心からそう思った。
その後、商品企画会議は順調に進み、更なる商品アイテムの入替えが提案された。
全てAIの妖精ルナのお陰であるが、そのコンビ二家族の救世主に全国屈指の
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