第11話  両祖父母

親と言うのは、基本は親ばかである。

自分の子供に、夢を託す。


生まれたばかりの赤ん坊に、

「この子もいつかは、サラリーマンだ。OLだ」

そう思われは、子供が気の毒。


祖父母となるとなおされで、孫を溺愛する。

孫と一緒にいられる時間は、年齢からすると短い。


なので、自分の事を忘れて欲しくないと言うのもあるのだろう・・・


「勇気、誰に説明してるの?」

「何でもない。ただの妄想だ」

「そういう漫画、あったよね?」

「ああ、あったな」

「確かまだ、完結していなかったよね?」

「ああ、いいところで終わってた」

「早く読みたいね」

俺達ふたりは、前世の記憶も知識も持っている。

そのまま転生した。


なので、赤ん坊今でも、読めるのだが、止めておく事にする。

逆に、怖がられる・・・


「あっ、おじいちゃんとおばあちゃん」

「毎日よく来るな。少し遠いのに」

「私たちが、可愛いんだね」

「4年経ったら、毎日会うけどな」

「確かに・・・」


祖父母・・・

両手に持ちきれない程の、おもちゃを持ってくる。

どうしろというのだ?


ていうか・・・

よく持てるな・・・


「祖父母は孫のためなら・・・ってね・・・」

「俺のじいちゃんと、ばあちゃんは、滅多にこなかったらしいぞ」

「私も。どこに住んでたの?」

「ふらの」

「北海道の?」

「ああ」

小さい頃は、よく言った。


当時はまだ、夜行列車が走っていたので、楽しみだったが・・・

今は新幹線が、途中まで通っている。


旅情がない・・・


「紅葉の祖父母は、どこにいたの?」

「私の?阿蘇だよ」

「熊本の?」

「うん」

「じゃあ、大変だったね。地震・・・」

「そのころはもう、いなかったから・・・」

「ごめん」

「いいよ。姉弟なんだから・・・」

お姉ちゃん、ありがたいことだ。

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