第九話 城門の内へ
「
俺達が馬車で六日程掛かる距離を、竜(
「すごいな。人や家が沢山だ……」
俺が少し感動して呟くと、横を歩いていた雪が、俺の言葉にクスッと笑った。
「そうですね。ここは町ですから
「そんなに!」
うちの村は、父さんの話によれば村の中では人口が多い方だと言っていた。その三倍以上。五千人以上?俺はその膨大な数に動揺を隠せなかった。
「でも
「私が発った時は十三万人ぐらいでしたね」
「世の中広いんだなー……」
「狭いとも言えるわね」
俺達はそんな会話をしながら梓馬を歩いていたが、途中で俺は、気になったことを灰に聞いた。
「なぁ灰さん。俺はここで何をすれば良いんだ?」
すると灰は、少し施行するように顎に手を置き、返答をした。
「そうですね……この町で行う大目標としては、他の竜とその導かれ手を見つけることです。ですが歩いて周るには少し広いですね。元の姿ならすぐですがさすがにダメでしょう。なので先んじて行うのは情報収集と雑品の買い込み、あとは今日泊まる宿探しですかね」
灰の言葉を聞いて、俺は行動を起こそうとしたが、雪の言った言葉に足を止めることとなった。
「ねぇ、柊。あなた、お金は持っているのかしら?」
「それはもちろん!」
そう言って俺は雪にお金を入れた袋を開き、中を見せる。そこに入っているお金を見て、雪は
「柊。こんな量じゃ、お宿に一泊もしたらすっからかんよ?」
俺はその言葉に三度驚いた。こんなに
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