家事が出来ない女の子の世話の仕方
南河原 候
掃除しろ!!
――――春――――
それは移り変わりの季節。小学生から社会人、色んな人が変わる季節だ。
学校に入学したり進級したり学生は変わる。新しい友人を作ったり恋人を作ったりもする。
社会人は色んな事を不安や期待のワクワクを踊らせて会社に入社して同期や上司と巡り合う。
春とは人生の一転だ――――
「おい、掃除しろ!」
「えぇ、おにぃ~うるさい!」
リビングのソファーで寝転がってお菓子の袋やベットボトルのゴミを散らかす短い黒髪をポニーテールしていてシャツと短パンを着ている
「お前は、毎回、毎回………何度言わせれば気が済むんだ!」
「うーん。おにぃそんな事より、今日の夕食は?」
「ッ!――――」
睦月はもう一度怒声を上げようとしたが呑気にお菓子を食っている葵を見たら呆れて何も言う気にはなれなくなった。
睦月はさっき買い物にした物が入ってる袋をキッチンの机に置いて椅子に掛けてある黄緑色のエプロンを着た。
キッチンにある引き出しを開けたらそこから包丁と木のまな板を出して机の上に置き。
「はぁ、葵。カレー作るからそこ掃除しとけ」
「は~い! やったー! おにぃのカレーだ!」
何がそんなに嬉しいのか分からないが、作る側からしたらその反応少し嬉しい気持ちになる。葵は鼻歌を歌いながら掃除をし始めたを見たら睦月も夕食作りを始めた。
じゃが芋は一口サイズ切り方、人参も同じ様に切っておく。玉葱は薄切りにしておいて。底が深い鍋に数量油を入れて玉葱を入れてから火を掛ける。
玉葱に火が通って来たらじゃが芋、人参っと入れて最後に肉を入れる。
それらに火が通り始めたら水を入れて一煮立ちさせる。
これはやらない家庭が多いが、俺は煮込んでる間に出てくる灰汁を取る。
人参やじゃが芋が串で通る様になったら市販のカレー粉を入れて少し煮込む。その時に俺は蜂蜜を入れてコクを出させる。
出来上がったら皿にご飯を盛り出来上がったカレーを掛けて完成だ。
「って、何で掃除してないんだよ」
俺がカレーと付け合わせのサラダを持ってくると葵は漫画を読んで居て俺を見て「あ」っと声を漏らした。
「あはは、ごめんなさい」
気まずそうに謝ってくる葵に睦月はため息をついて「良いから。先に食っとけ」と怒りと呆れ気味に言い掃除をし始めた。葵は申し訳無さそうにカレーを食べて始めていた。
結局俺がやる嵌めになり葵が飯を食ってる間にちゃちゃっと終わらせた。
「おにぃ、本当にごめん」
「良いよ。次からはちゃんとしろよ?」
「うん! おにぃのご飯は何時も美味しいね!」
このやり取りは何度もしている。だから、こいつはまたやらかす。ほんと、困った奴だ………
美味しいそうに食う葵を呆れた目で見る睦月。
一度ため息をついてから睦月もカレーを食べて「旨いか」っと言った。
☆
食べ終わったら食器を流し台に入れて後で洗うために水を付けておく。先に洗濯物を取り込みに行った。
この生活はもう馴れた。親は離婚して俺達は父親に引き取られて、それからずっと葵と分担は………してはいなく俺が全部家事をやっている。
まぁ、それでも良かった。葵もその頃はまだ小さかったからまだ誰かに世話をして貰わないといけなかった。それでも今は少しは手伝ってくれても良いと思うが………………
そのお陰で俺は随分と家事が出来る様になったが………
「ふぅ。明日は何作ろうかな」
洗濯物を取り込みながらそんな事を呟き、終わったら直ぐに部屋に戻って洗濯物を畳み始めた。
「おにぃ~。アイス食べて良い~?」
「何本食べた?」
「今日はまだ食べてないよ!」
睦月は目を細めて疑いの眼差しで葵を見ていた。葵は目を逸らして冷や汗をタラタラっと流して怪しい雰囲気が隠せて居なかった。
(さっき片付けた時にアイスのゴミを見た気がするが、まぁ、今日ぐらいは良いか)
「食べて良いぞ」
「やったー! おにぃ大好き!」
都合の良い時だけそんな言葉言いやがって………………
頭を抑えてやれやれっとため息をついた。
「葵、俺にもくれ」
「はいはい~」
洗濯物を畳み終わるとアイスを持ってきてくれた葵からアイスを受け取り二人でソファーに座ってテレビを見ながらアイスを食べた。
小話;妹に甘い兄
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「おにぃ、もう一本食べて良い?」
少し前屈みになり潤った瞳でアイスを食べたいおねだりをする葵。
「………………本当は駄目だが、後一本なら良いよ」
「やったー! おにぃ大好き!」
「都合の良い奴め」
結局の所、睦月は葵に甘かった。
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