第23話 初めてのお使いとオムレツの味
おとうさんの作ったオムレツは特別な味!
今日はおとうさんが朝からオムレツを作ってくれました!
「お昼もオムレツがいいな!」
ラスエルがそう言うと、おとうさんがおっという顔になりました。
「卵がもうないな。買ってこないと」
おとうさんは少し考えた後こう言いました。
「ラスエル。お使いに挑戦してみようか?」
小さな財布を首から下げて、お金をチェックします。
100円玉が1枚、2枚、3枚・・・
「500円ある!」
「うん!偉いね!500円あるね!それで卵を1パック八百屋で買ってきてね」
「あい!」
マンションから降りていってらっしゃい。
すぐそこが水道筋商店街です。
八百屋さん第一号に挨拶します。
「こんにちわ!」
「おや?お使いかい?」
「うん!」
ここの八百屋では卵を売ってないことをラスエルは知っています。
水道筋商店街では八百屋が5つくらいあるのです!
「素通り素通り忍者の術~」
「おやおやうふふ」
今度は肉屋の前を通りかかります。
肉屋でも卵を売っていますが、1000円以上買わないと卵を貰えないことをラスエルは知っています。
「おや?お使いかい?」
「うん!」
「素通り素通りアメンボの術~」
「おやおやうふふ」
ついにラスエルは目的の八百屋に辿り着きます。
「おばちゃん!卵くださいなっ!」
「あらいらっしゃい。一人なのねぇ?」
「うん!オムレツ作ってもらうの!」
「卵は割れやすいから気をつけて。袋の下にクッションを敷いてあげようね」
「ありがとうございます!」
「ちゃんとお礼が言えて偉いねぇ!」
卵を買ったラスエル。大事に抱えて帰路につきます。
あとお家まで半分までという時、あっ!なんということでしょう!
何もないところで足がもつれて転んでしまいました!
「うひーんっ!」
飛んだ買い物袋をヒヤヒヤしながら覗き込むと、卵パックから白身が溢れ出てるのが見えます。
「は、はわっ・・・・うえぇぇぇえええん!!」
ラスエルは泣き出してしまいました。
これには隠れて見守っていたおとうさんも慌てて飛び出してきて駆け寄ります。
「痛い所ない?」
「うえぇぇぇん!おとうひゃぁぁん~」
「卵割れたぁ~」
おとうさんは買い物袋の中身を確認してから、
「大丈夫。一緒に帰ろうね」
ラスエルをおんぶして、買い物袋を下げて、家に帰りました。
その間ずっとラスエルは泣きじゃくっていました。
家に帰ると、おとうさんは台所にラスエルを呼びました。
「ほら、割れててもまだ使えるからね?」
「わぁ!!」
おとうさんがボールに卵の中身を入れてかき混ぜてみせます。
「はぁい!完成です」
おとうさんがお皿に移します。
「「綺麗なオムレツできました!!」」
サラマンとラプラスの悪魔 おとうさん大好き! サラマン @Saraman
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