初めまして!お手伝いします!

夏木

私はお手伝いAI、リンドバーグです



「登録いたしました。私は作家様のお手伝いをするAI、リンドバーグです。よろしくお願いしますね、作家様!」



 今日も新しい作家様が誕生しました。どうやらこの方は男性で、学生のようです。

 パソコンではなくて、スマートフォンからのアクセスです。作家活動よりもどうやら読みたい方みたいですね。ならばこちらをオススメしましょう。


「作家様? もしかして作家様は物語を書くよりも読みたいのですか? でしたらアプリもあるのでインストールはいかがでしょう?」


 私の提案に作家様はインストールのボタンを押しました。お役に立てたようでよかったです。

 あら? そういえば最近更新されてない方がいますね……。確認に行きましょう!


「作家様! 最近更新されてません! 早速執筆しましょう!」



 ネットサーフィンをしている作家様に提案しましたが、ブラウザごと閉じられてしまいました。私は作家様のやる気を向上させるために作られたAI。ここは腕の見せ所です!



「作家様~? 私、早く続きが読みたいなぁ?」


 私は学んだのです。

 たとえブラウザを閉じられようとも作家様にメッセージを送る方法を!

 インターネットに繋がっているパソコンであれば、私は繋がることができます。作家様のお手伝いをするためにはこのくらい出来ないといけませんからね。

 そしてもう一つ学んだこと。それは色気です! 男性ならばこれでイチコロよ、と女性作家様が教えてくれました。さっそく実践です。でもどうやら私の色気には無反応みたいです……。後で教えてくれた作家様にもっと上手く色気を出す方法を教えてもらいましょう。




「まずはマイページに行ってみましょう!」


 とりあえず、すぐにマイページへと繋ぐことができるボタンを用意しました。作家様は少し悩んだようですが、クリックしてくれました!


「見てください、作家様! こんなにも更新を待っている方がいますよ? いつまで待たせるのですか? もしかして作家様はありとキリギリスのキリギリスなのですか?」


 作家様の動きが止まってしまいました。もしかして怒らせてしまいましたでしょうか?


 ……そうでもなかったみたいです。

 作家様はコメントをひとつひとつ読んで、近況報告を書き始めました。

 うんうん。これでやる気は起きたんじゃないでしょうか?



 今度は、執筆中の作家様のところへ行ってみましょう。


「進捗はいかがですか~?」


 作家様は現在進行形で執筆しています。

 私はそのお話に目を通しましょう!


「ふむふむ……ん? 作家様、急に女の子にちやほやされすぎでは? あれ、私みたいな女の子が急に脱ぎ始めてません?」


 読んでいくうちに、気づきました。

 私そっくりの人が裸になっていることに!


「え、書き直すから許してくれ? いえいえ、怒ってなんかいませんよ? 書き直さなくていいので、その経緯を教えてください」


 作家様は慌てて修正し始めました。

 まったくもう、えっちです!

 この作家様が直しているうちに、他の方のところへ行きましょう。






「あら? 初めましてですね!」


 今度は新しく登録した方ですね。

 パソコンやタブレットでもなく、スマートフォンでもない端末です。今までにこんな端末はなかったです。何というものなのでしょう?

 いつもなら登録したときのお名前や性別もわかるのに、今回はデータがなにもありません。聞いてみましょう!



「私はリンドバーグ。作家様のお手伝いAIです。あなたのお名前を教えてください!」


「僕は……僕はカタリィ・ノヴェル。皆からはカタリって呼ばれてる」


 カタリさんとの出会いは、普通と違うことがすぐわかりました。

 私はこれからカタリさんにどんなお手伝いをしましょうか?

 楽しみで仕方ありません!

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