過去への旅路

勝利だギューちゃん

第1話 過去

頭がくらくらする。

倒れそうだ・・・


(俺?死ぬんじゃないか・・・)


頭が働かない・・・

ぼーっとする。


ドン


あれ?サイレンの音がする。

俺?車にひかれたのか?

死ぬのか・・・


まっ、それでもいいか・・・


目が覚める。

白い天井が見える。


ここは?病院か?

俺は、助かったのか?


「あっ、気付かれました?」

ナースさん?

でも、随分の古風だな・・・


今時、スカート姿でナースキャップを被っている。

いつの時代だ?


「あのう、看護師さん」

「私は、看護婦です」

えっ?看護婦?

確かもう、かなり前に男女雇用で看護師に統一されたはずだが・・・


「じゃあ、看護婦さん」

「なんですか?」

「今日は、いつですか?」

看護婦さんは、笑う。


「まだ、混乱なされているんですね」

「・・・はい・・・」

「昭和60年9月10日です」

昭和60年?


今、昭和といったな・・・

しかも、60年?


なんだ?

からかわれているのか?


「あなたの鞄から、身元があるのを探させていただいたんですが・・・」

「はい」

確かに探すな・・・常識として・・・


「おもちゃばかりですね」

いや、おもちゃではないんだが・・・


「免許証も、平成になってますし、何ですかそれ?」

この時代が、本当なら詳しく話すのはさけたほうがいいだろう。


昭和60年といえば、俺はまだ5歳だ。


どうする?

詳しく話すか?

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