詠目で見る物語

けろよん

第1話

 旅をしている少年カタリィ・ノヴェル。

 彼には左目に授かった能力「詠目(ヨメ)」によって人々の心の中に封印されている物語を見通し、一篇の小説にして、その物語を必要としている人のもとに届ける仕事がある。

 今日もそこらへんにいる人の心を覗いて見た。

 だんだんと見えてきたぞ。どうもその人間は最近MFでやっと一次通過が出来たばかりの一次落ち常連の底辺作家のようだ。だんだんと物語のあらましが見えて来たぞ。

 こう書いてあった。


 ラブコメ? 何を書けばいいんだ。

 紙とペンと○○。何を書けばいいんだ。

 ルール? 何を書けばいいんだ。

 みんなよく書けるなあ。もう書けないかと思ったぞ。

 目覚めているのでこれかなと。

 もう何も思いつかない。

 もう疲れてる。


 どうやらとても苦労している作家さんのようだ。もう少し詳しく覗いてみよう。カタリィは詠目の力でより深くを探ってみた。

 物語が見えてくる……



 最初はまだ余裕があった。切り札はフクロウ。わたしもまだ希望に溢れていて書く時も読む時もとてもノリノリであった。

 ランキングがフクロウで溢れるほどにみんな羽ばたいていた。

 続くお題。二番目をテトリス99をやって思ったことで凌ぎ、ラブコメを過去にやった猫耳ネタの流用で凌ぐ。

 長い戦いだ。私は段々と疲れてきた。10連戦もあるなんてワイルドアームズ3かよと思いつつ。

 最後の三分間をお約束のRPGネタでクリアし、最高の目覚めを最後の三分間を書いた時に目覚めていた者でクリアした。

 続くお題。三周年? おめでとう? 何やねんそれ。もう何でも良かった。書ける物なら何でも。

 思い付きのネタを1200字も書くのは長かった。1500字なら投げていたかもしれない。

 またオレオか……パタパタパタンて何やねん。もう疲れがピークに達し、作品がカオスになってきた気がする。あばばばば。かおす先生はどちらですか。

 だが、その苦労の日々もいよいよ終わる。これで終わりだ。ふう、終わりだ。

 ええい、終わりだ。

 ……970文字しかない。あで埋めよう。もう終わりなんだし。


 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


 よし、終わった。完結だ。




「…………」


 カタリィは詠目で見た物語をまとめ、それを持って帰った。この物語を必要としている人がいると信じて。

 だが、これを見たバーグの意見は辛辣だった。


「で、これを誰が読むんですか?」

「え?」

「KAC9のPV1ですよ」

「…………」


 世の中はなかなか厳しい物だ。

 そんな時、切り札のフクロウが飛んできた。カクヨムのトリは羽ばたいている。物語が来るのを待っている。

 投稿するだけなら誰でも自由だ。

 たとえそれがオレオの三文字だけだとしても。

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