金髪ロリっ娘ニートが転生できちゃいました~
涼太かぶき
第1話~ロリっ娘シェリー。20歳無職!~
金髪の小柄な女の子。身長は120~130センチ。小学生と間違われてもおかしくはない。
彼女は自身の体の倍はあろうビーズクッションで横になっている。
そしてファンタジーもののライトノベルを静かに読んでいた。
「あわぁ……侍魔剣士かっけぇ」
可愛らしい手を小さな口に当てて感服している。
かと思いきや嘲笑の笑みを浮かべる。
「ふっ、チートじゃん。でも主人公の我が通ってて……良いなぁ~~」
そしたら今度はゴロゴロ転がる。
ビーズクッションからモシュモシュ、ジャワジャワという音が部屋に響く。
彼女の部屋は独り暮らしにしては広すぎる。
それは何故か2LDK……
家具も充実していて、巨大なテレビ……の下には新作の人気ゲームハード。
そう……こ、ここ、この建物は……高級マンションの最上階!
彼女の見た目は金髪のロリっ娘ニート。だが20歳。
名前は村上
彼女は英と日本のハーフで、父親である村上家は大豪邸を持つ程の資産家家系と呼ばれている。
彼女の高校卒業間近、あまりの背の低さからツテ就職を断られる事もあった。
だがその頃にはネットの趣味ブログで月収30万円。
最近は黒マスクをしてゲーム実況に勤しみ?
月収は遂に100万を越えたそうだ。
更にイラストレーターの道に進んだ女子友達がなんと……
配信用の2Dモデルを作ってくれた。世で騒がれているアレだ。
だから親達と並ぶ月収を手にした私は、ただただこうやって趣味に堕落している。
「やっぱサブカル最高だぁ……」
『ぐぅぅ~』
クッションからぽてんと落ちた彼女は、お腹を鳴らしている。
でもメイドもいらないって言い張ったのでいない。だから2LDKだ。
「ま、部屋は多い方が便利かぁ~」
のそのそと立ち上がり、台所へ向かう。
「絶対体に悪いけど、パン、食べまぁーす」
実況癖が抜けていないのが、独り言が多い。それがたまにキズ。
でも彼女はクロワッサンにも負けない甘い女の子の香りを発している。
部屋のどこでも彼女は寝転がるから、その香りが漂っている。
「えっへへ~チョリソードッグ」
へらへらしながら、レンジのタイマー式トースターにその皿をぶちこむ。
そして部屋に戻ってきた彼女はとりあえずゴロゴロする。
「あ!」
何かを思い出したようだ。
「小説書こ~」
また彼女は、趣味でライトノベルも書いている。更に自身のブログでも上げているそうだ。
日々、圧倒的数のフォロワーから……
『シェリー先生のえっちなゆるふわ最高!』
といったコメントが来るらしい……
「よーし、サブカルの懸け橋になるためにも……!異世界転生ものとか書いてみよーかなぁ~~」
『チーン』
レンジが鳴ると犬のように台所へと駆けていく。
「むふふ、よしよし」
くんくんとクロワッサンとチョリソーの匂いを嗅いでいる。
一口かぶり。
「はむぅっ……はふっはふっ、ふぁー美味。しゃいこー」
小さな口でかぶり付くその姿は、ハムスターのように可愛らしい。
皿をテーブルに置いて、四つのパンをぺろりと平らげてしまった。
「よし!元気一杯!あー、そうだ」
元気になった彼女は何かを思い出す。
「そういや黒魔術の本がガセだったから魔術歴史の本買ったんだっけ……」
一人そう呟くと紋章の書いてある重そうな本を持ってくる。
「よいせ、こらせ、どん!」
『ボドンッ!』
『ガタンッ!』
テーブルの上の皿が、震動音を響かせる。
「よっしゃあ!参考にして新作新作ぅ~」
『魔術結晶』
(あれ?タイトル違くね?)
確かに彼女が買ったはずなのは魔術歴史の本だ。
テーブルの上には魔術結晶の本がドンと構えている。
彼女は買った際レシート等は貰わない。
だから確かめようが無かった。
「ま、いっか」
彼女は頭は良いのに楽観的な性格だ。
それがこれかはどんな事を引き起こすのかも未だ分かっていなかった。
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