第16話 桜の下の出会いと別れと出会い

 満開の桜並木。

 美しい景色の中で、転んだわたし。

「大丈夫?」

 かけられた優しい声、差し出される手。

 花のような美少年、恋の予感。

 立ち上がったわたしから彼は離れ、少し先にいた女の子のもとへと。

 失恋の確信。

 どん。

 思い切り後ろからぶつけられ、二度目の転倒。

「わり、でも、そっちもぼーっとしてたから、おあいこだな」

「どこがおあいこなのよ!」

 言い返したわたしにムッとしたような彼。

 最悪の出会い。

 それも今はいい思い出。

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