第99話 大変だ!火山が大噴火!!
そして次の日の夜。
作戦決行の日がやって来た。
屋敷の屋根の上にいる4人は作戦をもう一度確認していた。
「いい?作戦はこうよ!アンタ達は出来るだけ奴等の注意を引いて頂戴。その間に私は屋敷に潜り込んで鍵を奪い奴隷の子達を助けだすわ!」
「わかりましたぞ!」
「上手く行くかは判らないが」
「やるだけやってみるか!」
「じゃあ行くわよ!」
パーシーがそう言うと三人は剣を取り出すと勇者石をはめ込む。
ブラック!ザ!宝救武装!
グリーン!ザ!宝救武装!
バイオレット!ザ!宝救武装!
「行くぜ!」
「「オウ!」」
バリン!
三人は屋根から飛び降り窓ガラスを破壊して中に入り込む。
「な、何事ですの!?」
音を聞いたタナロットがドアを開け入って来た。
「「「宝救武装!」」」
着地と同時に三人は掛け声をあげると剣から光が吹き出し三人の体に纏うと鎧とスーツが形成され、和樹には肩当てが追加された鎧を纏うと最後にパートナーを模したヘルメットを被り返信完了した。ルーガルの尻尾と頭は合う様にちゃんと調整されている為問題ない。ちなみに変身してる間は尻尾は消えている。
「な、何ですの貴様達は?」
「償いのサファイア!ホウキュウバイオレット!」
「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」
「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」
「「「勇気の宝石身に纏い!」」」
「我ら宝石戦隊!」
「「「ホウキュウジャー!」」」
三人は最後にかっこよくポーズを決めると花火が少しだけ弾けた。
でもしょぼかった。室内だからしょうがない。
「なあ?このポーズはなんか意味あるのか?」
「名乗る以上はかっこよくしないとな!」
「あ、その気持ちわかりますぞ!」
涼よりガキじみてんな和樹のやつ。
「私を無視して何をしてますの!!この族共が!!」
「五月蝿いわ豚バラ!」
「ぶ、豚バラ!?」
「おいルーガル。豚バラはお肉だぞ」
「三段腹!」
「いやあってはいるが、意味が違うって」
「何ですって!わたくしの何処が三段バラなのよ!」
「「「いや見りゃ判る」」」
見たまんまのデブだからな。
「ムッキー!!誰が三段バラのおデブちゃんですってーーーーーーー!!」
「そこまで言ってないわ!」
「気にしてんなら痩せりゃいいだろ!」
「全くだな」
「お黙り毛黙り!貴様達生きて帰れると思わない事ですわ!!」
「そっちこそタダで済むと思うなよ!」
「警備員達さっさと捕まえなさい!」
黒服の警備員達が武器を構えて突っ込んでくる。
「さあ来たぜ!」
「我輩達はこのまま」
「奴等を外へ誘導だ!」
三人はとりあえず一旦逃げた。
「おまちなさい!」
「バーカ!逃げるが勝ちだよ!」
黒服の男とタナロットは三人を追いかけていく。居なくなった所にパーシーが屋敷へ入りこんだ。
「ホウキュウジャーねぇ〜今の勇者はあんな馬鹿っぽいわけ?」
パーシーは部屋の物色を開始する。
あのババアの事だからきっとこの部屋の何処かにあるはず。パーシーはタナロットのコレクションルームを探していた。あのよく深いババアの事だからこの部屋に隠した可能性が一番高いのだ。
「て、思ったんだけどな…」
だが、全く見つからない。この部屋じゃなかったのかしら?
パーシーは根気よく探すが宝石ばっかりでか鍵なんか何処にもない。
結局全部の部屋を探し回る羽目になりもうヤケクソだ。
「あーもう!何処にあんのよ!!」
パーシーは頭にきて蹴飛ばすと探していたタンスの上の引き出しが外れパンツが大量に落ちてきた。
「あいた!」
頭に何か落ちてきた。
落ちてきた物を拾うとそれは間違いなく檻の鍵だった。輪っかに通っているから間違いない。多分。
「なんで下着入れてるタンスに入ってるのよ!しかも悪趣味だし」
いかにもババアが吐きそうなダボダボデカパンだわ。
「さーて見つかったし長いは無用!さっさと助けに行かなきゃ」
パーシーは鍵を握りしめて子供達が捕まっている牢屋まで急ぐ。
:
「あいつ上手くやったかな?」
「どうだろうな?」
「しかし我輩達も呑気にしてられませぬ!」
さっきより人の数が増えてきているのだ。
相手は人間だから傷つける訳にはいかず。
仕方ないからこの屋敷の敷地内をとにかく逃げ回っているのだ。
「おまちなさーい!」
タナロットは黒服達に担がれながら追いかけて来た。
「「「自分で走れよ!」」」
つか、突っ込ませわんな!!
「泥棒猫は何してるんだよ!」
「あれから2時間はたったはずだ!
その頃はまだ物色中。
「クソ面倒だ!」
「仕方ない分かれて逃げよう!」
「名案ですな!」
そう言うと三人は左右と真っ直ぐにに分れて黒服達を分散した。
「何をしてるの!早く追いかけてなさい!」
しかし、ただでさえ肥満な奴を勝つでいるためか運んでる4人はバテてしまい座り込んだ。
「早く代わりなさいな!」
タナロットは怒鳴り上げると交代し再び担ぎ上げ追いかけていく。真っ直ぐ行った方はルーガルの行った道だった。
「て、我輩の方に豚バラが来ましたぞ!」
「誰が豚バラか!貴様丸焼きにしてくれるわー!撃て撃て!」
ババアの掛け声で黒服達は逃げるルーガルに発砲した。
「何故我輩だけー!」
ルーガルはとにかくひたすら逃げ回る。
これが作戦なのだ。三人が屋敷の警備とババアをかき回し囮になりその隙にパーシーが屋敷の檻から子供達を助けだす算段だ。完了したら花火が上がるからそれまでは絶対に反撃してはいけない。相手はマジで人間だからである。
「ルーガルは当たりを引いたみたいだな!」
和樹の方では何故かバズーカを持った奴まで追いかけて撃ちまくられている。
ドカン!
激しい爆発音が屋敷中に響き渡る。
「いくら敷地内だからって大砲をかますんじゃねー!」
ドカン!ドカン!ドカン!
「あぶね!」
和樹もある意味ハズレを引いたかもしれない。ひたすらこの大砲の雨から合図がくるまで逃げまわらないといけない。しかも元は山岳地帯だっただけに広いしこのままじゃ確実にバテる!
一方でカイエンの方では…
「あ、悪魔だ!悪魔がでたー!」
「ひえー!」
黒服達が逆に逃げ回っていた。
それもそのはず頭が消えていて胴体が黒服達を追い回しているのだから。
「:(;゙゚'ω゚'):」
頭どこ!?頭!?
必死に頭を探している胴体をよそにその頃、頭は?
:
鬱蒼としている石畳の階段を蝋燭片手に降りているパーシー。
「全く、あの趣味悪い銅像退かすの苦労したわ」
牢屋は屋敷の中庭の中心の金の銅像の下にあったのだ。あまりにも重い為に隠しスイッチに気づかず騒ぎに紛れて爆弾で壊して中に入ったのだ。
バチン!
「ん?バチン?」
誰かいるの?
階段を下り終え壁に隠れて様子を伺うパーシー。するとあのババアの息子が亜人の女の子達をあられもない姿にしムチで叩きつけてるではないか!しかも首輪までつけて。
「ホラ!もっと泣け!僕はご主人様だぞ!」
バチン!
「きゃあっ!」
「あいつ!!」
パーシーは奥歯を噛みしめる。
これは流石に腹が立ってくる。奴隷にされた子達は売られるだけじゃなく。あんな子豚のおもちゃにされていたのだ。
「たく、もう飽きちゃった〜お前いらない」
ババアの息子が亜人の子の尻尾を掴み投げると投げた先は使い回されもうはや生気がなくなった女の子達が山積みにされていた。
「何て事してんのよ!」
パーシーは持って来た鉄パイプでババアの息子の後頭部を殴るが。
「ん?アンタ誰?」
「え!効いてない!?」
ババアの息子は無傷どころか角を生やしている。
「きゃ!」
パーシーは首を掴まれ石畳に叩きつけられた。
「今度はちっ○いか〜しゃぶりがいあるかな〜」
「な、気にしてる事を!ていうかよるなっ!豚!オーク!」
「頂きまーす!」
舌なめずりしながらパーシーに唇をつけてくる。
「嫌ぁぁぁぁ!」
パーシーは声を上げた。
ぶちゅ。
「ん?」
「ありゃ?」
豚ババアの息子がキッスしたのは生首だった。マスク越しだか。
「こんちわ!」
「うわぁぁぁぁぁん!死体が喋ってる!」
ババアの息子ほ声を上げカイエンの 頭をほうり上げた。
「ぐえ!!」
カイエンの頭は天井に激突した。
「すきやり!」
ゴチーン!
「あっ…」
パーシーは隙みてババアの息子の急所に大当たりし泡吹いてババアの息子は倒れた。
ゴチン!
「あいた!」
カイエンの首が上から落ちた。
「た、助かったわ〜ていうか…」
パーシーは転がっているカイエンの頭を見る。
「生首が喋ってる!?」
「今更かよ!俺はデュラハンだ!」
「デュ、デュラハン?あの首無しの??」
説明したろうが!
「そうだ」
「何でアンデットが勇者してるのよ?」
「知るかよ!」
「ていうか何で頭だけ?」
「逃げてる途中でおっことしてな。まさか牢屋中に落ちるとはな…」
くそ駄目だ。地下だから胴体に信号が送れない…つまり戻れないのだ。だから胴体も必死に頭を探してたんだな。
「何しても助かったわ!ありがとう!」
「鍵は?」
「勿論!」
「よし、さっさと助けてこっからずらかるぞ…」
ドッカーーーン!
突然凄まじ大爆発音が響いた。
「な、なんだ?地震か??」
「この音はまさか!?」
パーシーは慌てて入り口に走る。
「おい!置いてくな!」
カイエンは頭だけでぴょんぴょん飛び回りながら進み必死に階段を登ろうとするが…
「と、届かない…」
:
「や、山が割れましたぞ!」
「ルーガル!」
「和樹殿!!」
逃げ回るうちに合流した2人。
「大変ですぞ山が割れましたぞ!」
「違う火山が噴火したんだ!」
「え??」
「要は山が爆発したんだ!このままだと島は沈むぞ!しかもマグマのオマケ付きだ!」
「な、なんですと!!」
火山がなんと噴火したのだ。
おかしい何で急に火山が噴火したんだ??
普通島の火山なんか海底のプレートがずれるか火山に爆弾でも放り込まなきゃこんな事起きないぞ!
「だから黒服達は見なくなったんだ!」
「そう言えば追いかけて来てない?」
振り向いてみると豚ババアや黒服達がいなかった。
「大方財産が心配になり走って戻ったんだな」
「あ、カイエン殿だ!」
「本当だ!カイエン!」
2人はしゃがみこんだ後ろ姿のカイエンを見つけ声をかけて近づく。
「(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」
必死にジェスチャーしてる胴体。
「「頭がなーーい!!」」
2人は声を上げた。
「頭どうしたのですか!?」
「((((;゚Д゚)))))))」
必死にジェスチャーするが伝わらない。
「落っことしたのか?まさか?」
「(O_O)」
コクコク!
「何処へですぞ?」
「ƪ(˘⌣˘)ʃ」
さあ?
「マジかよ!火山が噴火したんだ!逃げないとまずいぞ!」
「Σ(゚д゚lll)」
なぬっ!と慌てる胴体。
「落ち着いてくだされ!どの辺りに落としたのですか?」
「ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3」
あっちあっち!と指を指す胴体。
「たく、時間ないが探すぞ!」
「ガッテン!」
2人は胴体を案内に落とした場所まで走る。
:
「大変よ!火山が大噴火したわ!」
「知ってる!ルーガル達から聞いたから」
ぴょんぴょん飛び跳ねるカイエンの頭。
「頭だけで何でわかるのよ?」
「デュラハンだからだ!」
説明になってないわよ!!
「とにかく急いでガキどもを連れ出せ!」
カイエンはそう言うとぴょんぴょん飛び跳ね階段まで行く。
「あ、アンタどうするわけ?」
「島の連中を逃す!」
「逃すってマグマが時期に流れるわよ!あと頭だけでその階段登れる訳ないじゃない!」
わかってんなら助けろよ!
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