第47話 決着と探索の始まり!
ヴァンデストの剣とエンガホウキュウオーの剣が激しくぶつかり合う。
エンガホウキュウオーは巨大なイカ大剣改でヴァンデストを斬り倒し持ち手のアンキロの尾の棘着きハンマーで突き飛ばす。
「うわ!」
コックピットの反動がすごく6人はふらつく。
「涼!この合体かなりキツイティラ!」
「ワニ!」
何分10体分の合体は重力も増えワシらも長くは合体維持は出来ないぞ!
「やっぱそうとうな負担なんだな」
「必殺技で一気にカタをつけるか!」
「待て!負担がデカイなら何発も打てない筈だチャンスを見計ろう!」
「わかった!タイミングを計るぞ!」
エンガホウキュウオーは態勢を立て直すと再びヴァンデストに向かっていく。
パワーは桁外れに上がった反面合体を維持する宝石獣達に負担がだいぶかかる。長くはこの合体は維持できない良くて多分5分がいいところ限界かもしれない何分いきなりぶっつけでやったからな。今までが都合よく行き過ぎだって事か。
「行くぞ赤いの!」
ヴァンデストが突っ込んでくる。
ヴァンデストとエンガホウキュウオーが互いにぶつかり合い拳を振りかざす。
エンガホウキュウオーはヴァンデストの攻撃に全く動じるどころがダメージが大してない。エンガホウキュウオーはヴァンデストを投げ上げパンチを食らわして吹っ飛ばす。
「ぐはっ…赤いの強いじゃないか!!」
確かに凄いパワーと防御だが宝石獣達の負担がかかり過ぎる。そろそろ決めないとまずいな。
ヴァンデストは立ち上がるがくらつき膝をつく。
「今だ!みんな!」
エンガホウキュウオーの大剣が輝き巨大な光の剣になる。
「「「「「「エンガホウキュウオー!円雷兜割り!」」」」」」
雷の円輪が大剣に集まりそのまま降りかざす。
「うわっ!」
ヴァンデストの身体は縦に真っ二つになる。
「へへ…赤いの…楽しかったぜ…地獄でまたな…」
ヴァンデストは今度こそ爆死した。
ヴァンデストが倒されると同時にエンガホウキュウオーの合体が解けて皆バラけて小さくなった。
「き、キツかった…ティラ…」
「わ…に…」
こりゃ何度も出来る合体ではないぞ…
「あ…あー」
やかましいゴルーケンでさえ声が小さい。
「く〜」
体から痛いですわ…
「勝ったけど…キツイなこりゃ」
「俺たちも疲れた…」
「我輩達のマナも尽きましたぞ…」
「宝石獣達もだが…技一回打っただけでマナが全て持ってかれるなんてな…」
「私達ももっと頑張らないとですね…」
エンガホウキュウオー…思いつきで合体はしたが凄い力だったな。嬉しいがダルさがひでえ…
この合体は本当に俺たちが一心同体になるらしいな。今までは宝石獣達だけで技を撃ったが、今回のは俺たちのマナも相当食うらしい。こりゃ下手に合体は出来ないな。
その後、アリシア達が俺たちを回収し秘密基地に帰還した。
サイネリアはガネット王が手を回してくれたおかげで復興が思ったより早く進むらしい。
よかった、よかった。
:
「ヴァンデスト様が戦死したのですか!?」
「ああ、俺達が看取った」
「アイツら10体合体なんてチートまで用意してたなんて!」
魔王軍ではヴァンデストが戦死した事が知れ渡り慌てている。
そりゃ魔王がまさか倒されるなんて思ってなかったからだ。
「ヴァンデスト様がやられるとは…勇者達も見過ごせなくなってきましたね」
「博士」
「アッシュベル今まで何をしていた?」
「ついに手がかりを発見しまして!」
「手がかり?」
アッシュベルは口を開く。
「宝石神の手がかりですよ」
「宝石神?ってなんですの?」
アイカは尋ねる。
「アイカさん貴女の家の伝説じゃないですか?まさか知らないんですか?」
「し、知ってるわよ!宝石獣の神様みたいなものですわよ」
アイカは知らない。
宝石神はアレキサンドライトの体を持つ巨大な宝石獣の事だと。彼女は陰謀ばかり張り巡らせていた為王族の許容範囲を学んでなかったのだ。
「宝石神は初代勇者の宝石獣で最初の宝石獣と言われています」
「宝石獣の元祖か?」
「ええ」
「そいつが見つかればどうなるんだ?」
カイトは尋ねる。
「この世の全てを意のままに出来ると言われています」
「意のままに出来るだとっ!」
「ラストボスキャラって奴だなそいつがラストアイテムを!!カズ!」
「ああ、それを見つけてラストアイテムを手に入れれば俺達はログアウトできる!」
カズとカイトはテンションがあがる。
「ただ何処にいるかは判りませんが」
「は?意味ないじゃないの!!」
「だから手がかりを探すんですよ!」
「手がかり?なんか知ってるのかよ?」
「ええ、ある剣を探すんですよ」
ある剣?
「なんですの?その剣とは?」
「原宝剣を探すんですよ」
:
「やっぱり今のままじゃ次はキツイと思うな俺は」
「我輩もです」
「10体合体が僕達のマナまで根こそぎ食う諸刃の合体とは思わなかったからな」
エンガホウキュウオー…諸刃の合体か…
「その為にも私達ももっと訓練をしないと!」
「それしかないな!」
今はありきたりだがちゃんと鍛錬を積むしかない。
「みんないる?」
アリシアがガネットから戻って来た。
ガネット王に事の報告へしに行っていたのだ。
「おかえり姫様!」
「どうかしたんでありますか?」
「お父様からある情報を聞いたの」
「情報?」
「魔王軍が血眼になって何かを探してるみたいなの!」
魔王軍が何かを探してる?
「何かってなんだよ?」
「それは判らないわよ…遺跡を荒らし回ってるって話だから、しかも勇者に所縁のある遺跡ばかり」
「勇者と所縁のある遺跡?」
「初代勇者の遺跡ばかり荒らされてるらしいわよ」
「ひいお祖母様!」
賢者マナリアが冷蔵庫から出てきた。
「初代勇者の遺跡?」
「初代勇者と所縁のある地よ」
「何でそんなとこばかり?」
いくら初代勇者にまつわる遺跡でも宝なんか今更見つかるわけないだろ。
「考えられるとしたら一つだけよ」
「何なの?お祖母様?」
「宝石神を探してるって事」
宝石神って姫様の体内のアレキサンドライトと同じ体の宝石獣って言ってたアレか!
「宝石神っておとぎ話時代の宝石獣ですよ!そんなの現実にいるわけ…」
「いや、居ると思うぞ」
「のぶさん?」
「姫様の宝石が何回か力を出したよな?あれって宝石神の力じゃないのか?」
「確かに宝石神は宝石獣を生み出し人類に魔宝石を与えたと伝承で聞いた事があるわ!」
賢者マナリアは語る。
「そう言えば…兄様も勇者の剣の原型をずっと探してたであります…」
ん?今なんて言った?
「ベル!今の勇者の剣の原型ってなんだ?」
「え?涼さん達知らないでありますか?宝救剣は元々初代勇者の剣を参考に造られた物でありますよ」
「アーアー!」
「ワニ!」
始祖鳥もそうだと言っている。
宝救剣が模造品!?
「マジかよ!?」
「ええ私も知ってますよ」
「勇者伝説のおとぎ話にでてるからな」
「僕もおとぎ話として両親から聞いた」
「有名な童話ですからな!」
「涼は…異世界人だから知らないのかそういや」
「俺もゴルーケンから聞いたぞ」
マジかよ…宝救剣っておとぎ話にも出てる代物だったのかよ。
「ワニ!」
初代勇者が6本造り後のお前たち勇者に我らが与え世界のバランスを保つ為の宝剣、それが勇者の剣と始祖鳥は申している。
「じゃあ魔王軍は宝救剣の原型を探してるって事か?」
「6本造られたってのぶさんのは包丁だろ?」
「俺の宝救丁は折れた祖父さんの剣を俺がゴルーケンと打ち直したんだ」
あーだから俺達のと形がまるで違うのか。
まあ追加戦士のお約束だしな。
「勇者の剣の原型…それがあれば」
「宝石神を見つけられるわ!」
「宝石神が見つかれば魔王軍なんて怖くないぜ!」
「我輩達も探しましょうぞ!その剣を!」
「盛り上がってるとこ悪いが、何処にその剣はあるんだ?」
あ…確かに…
「アリシア、賢者様なんか知らないか?」
「私もおとぎ話として父上から聞いたから知ら知ないわよ」
「私も聞いた事ないわね…デイノもそんな話しなかったから」
「ワニ」
ワシも宝石神は知らん。ワシらはあくまで子孫だ親から話を聞いただけだ。
宝石獣達もうなづく。勇者を選ぶ天命は宝石神が導いた事という以外は知らない。
「ベルは?」
「知らないでありますよ!兄様が口走ってたのを聞いただけでありますから」
「たく、本人に聞ければな…」
「それだ!!」
カイエンが立ち上がる。
「カイエン?」
「聞けばいいんだ!」
「は?幽霊なんかに聞けるわけないだろ?つかまだ幽霊してるか?とっくに誰かに生まれ変わってるんじゃないか?」
「確かに生まれ変わってる可能性は高い、だが連れて行った奴ならいるはずだ!」
連れて行って奴?
「何を言ってるんだ?カイエン?」
「だから、勇者を連れて行った奴ならいる可能性は高い!」
「連れ行ったって何処へでありますか?」
「冥界だ」
冥界って…死者の国!?
「オイ…カイエンまさかその連れ行った奴って言うのは…」
「ああ、死神だ!」
やっぱりか…つか死神だぁ!?
「俺はデュラハンだぞ冥界と交信ができるんだ」
「デュラハンって死神とか言われてるアンデットでしたよね確かに…」
忘れてたよ今まで。
「なるほどな、つまり初代勇者を冥界へ連れて行った死神なら何か知ってるかもしれないって事か!」
「ああ奴らも死なないからな!」
死神は魂を狩り冥界へ誘う死の狩人とも言われている。デュラハンはその冥界にコンタクトを取る事ができるから、その担当した死神に話を聞くって訳か。
でも危ないだろ絶対。
「危険なんじゃないですか?」
「かなりな…」
さらっと言うな!つかマジで危ないのかよ。
「けど他に手がかりがない以上行くしかないぞ」
「行きましょう!」
「姫様!」
「私知りたいの!初代様を宝石神の事も!」
アリシアは力強くそう言った。覚悟がこもっている。
「女の子に負けてられないな!」
「ですな!」
「今更ほかの首ない奴を見てもな」
「ですね!」
「決まりだな!」
皆も参戦。
「で、どうやって死神と話すんだ?」
「それはな、一度死ぬんだ」
カイエンはそう言った。
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