第35話 敗北…思い知らされた力の差
上級怪人ピエールを倒した涼達は現れた階段を上がっている。
「はぁ、はぁ、またこの階段かよ…」
「戦いの後だから辛いなこりゃ」
「いくら特性ポーションを飲んでもこれはキツイな…」
涼達は戦いの後アリシア姫が持たせた回復薬ポーションを飲んだ為回復はしたがやはり長い階段はキツイなたく。
「もうすぐ出口だ!」
先に光が見える。もうすぐ出口に着く。
螺旋階段を出た先にはヴァンデストが向かった城の前だった。
「ここに奴が!」
「さてと親玉とのご対面か!」
「必ず倒してみんなを!」
「元に戻してみせます!」
「勇者である我輩達の腕のみせ所ですな!」
みんなこの町を支配した魔王相手にそれぞれの思いを見せる。ああ必ず助けよう!この町の人たちを俺達は戦隊なんだから。
「よし、みんな行こうぜ!」
「「「「「ああ!」」」」」
俺達は歩き出し城の門を開け中へ入る。
:
中には敵兵はおろか怪人も魔物も現れなかった…俺達は変に思いながらも城の扉を開けて中へ入った。
「よう、待っていたぜ勇者ども!」
「ヴァンデスト!」
玄関前の階段の上でワイングラスを片手に立っている魔王ヴァンデスト。
「プハァ〜待ちわびたぜ」
ヴァンデストはワインを飲み干すとグラスを床に捨てた。グラスは勢いよく破れた。
「ヴァンデスト!町の人たちを解放しろ!」
「町の人たちを元に戻すんだ!」
「綺麗事なんかいい、さっさと殺し合いと行こうじよないか!」
ヴァンデストは禍々しいオーラを全開に翼を生やして飛び上がると城の外へ行く。
俺達は跡を追いかける。
ヴァンデストは広い不気味な薔薇が蔓延る庭で空中を浮いている。
「さあ!かかってこい!」
「言われるまでもねぇ!みんな行くぞ!」
「「「「「おう!」」」」」
俺達は宝救剣を取り出しチェンジストーンをはめ込み。のぶさんは宝救丁とチェンジエッグを取り出しエッグにチェンジストーンの金塊をはめ込みスイッチを入れた。
レッド!ザ!武装!
ブルー!ザ!武装!
ピンク!ザ!武装!
グリーン!ザ!武装!
ブラック!ザ!武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!
「「「「「武装!」」」」」
「乾杯!」
俺達の剣から掛け声と一緒に光が旗なれその光は体に纏い鎧を構成し装着、最後にパートナー宝石獣を模したマスクを被り変身完了!
「宝石戦隊!」
「「「「「「ホウキョウジャー」」」」」」
名乗りを終えると各色の花火が上がる。
「カッコつけてんじゃねえーよ!ささっさと来いや!」
「言われるまでもねぇ!」
俺達は剣を構えてヴァンデストに向かう。
ヴァンデストは降りてきて黒い宝石の剣を取り出して俺達に降りかざす。
剣と剣が激しく火花を散らしている。
俺達は連携しながら攻撃はするがこの魔王は片手で弾いて伸びてる赤い爪で引き裂いて攻撃してくる。
「ウエポンアップ!」
ルーガルがラプトルバンカーを取り出して華麗な棒さばきでヴァンデストに迫る。
「薄鈍が!」
ヴァンデストさ他五人を蹴散らしルーガルの槍を簡単にかわし飛びながら黒炎を放つ。
「なんのこれしき!」
「ルーガル余り距離を縮めるな!」
「大丈夫ですぞ速さは負けませぬ!」
ルーガルはカイエンの忠告を無視して槍を振り回しながら身軽に動き回り槍を振りかざしては突くがヴァンデストは欠伸をしながら簡単に避けている。
オイオイ!全然当たってないしあくびする余裕まであるのかよ!あの魔王!腐っても魔王かやはり。
「ちょこまかと!」
ルーガルが槍を地面に刺すと槍を伸ばして上を取るが…
「単純だな蜥蜴は!」
ヴァンデストはなんと伸ばしたラプトルバンカーを剣で叩っ斬る。オイまじかよ!?
掟破りすぎるだろうが!
「うわ!」
ルーガルは空中でバランスを崩す。
「あばよ!蜥蜴ちゃん!」
ヴァンデストはルーガルの背中に剣を突き刺す。血がバシャッと吹き出す!
「ぐはっ!?」
ルーガルは何が起きたのか判らず。ただ激しい痛みの中地面に叩きつけられそのまま変身が解除された。
「う、ぐぅ…」
ルーガルは血まみれで地面に転がった。
「ルーガル!」
「ルーガルさん!」
近くにいたカイエンとリアがルーガルに近づく。血が止まらない!このままじゃヤバイ!
「リア!治癒ジュエルだ!」
「はい!」
リアが治癒ジュエルを取り出し宝救剣にはめる。
「おいおい殺し合いに無粋な真似すんなや!」
「嘘!」
「おいおい!?」
いつのまにか背後にいたヴァンデストにリアは肩を爪で貫通され。カイエンは首をはねられた。しかし頭は最初から付いてないので落ちてもピンピンしている。しかし、体は剣で左肩を刺された。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
カイエンは悲鳴を上げた。
頭は離れているが神経はモロに繋がっているのがデュラハンだ。
「カイエン、リア!」
「人の心配してていいのか?」
「え?」
いつの間にかコハクの目の前に居るヴァンデスト。
何があったのか考える間もなくコハクは胸を剣で斬り裂かれ大量の血を流し倒れると変身は解除された。
「コハク!!みんな!!」
嘘だろ…みんなやられた!?
周りに居た仲間は皆助ける間も無く瀕死の重傷をおっている。
「涼!」
「え!?」
今度は俺の目の前にヴァンデストがいる!?
「しまったっ!」
俺は宝救剣でガードしようとするが間に合わない。
「お前も死にな赤いの!」
ヴァンデストは剣を涼に降りかざす。
カキンッ!
間一髪のところで信道が割り込み宝救丁のビームの刃でヴァンデストの剣を受け止めて弾いた。
「ほぉ〜お前は中々骨があるな」
「のぶさん!」
「馬鹿野郎っ!!ぼさっとしてんじゃねぇ!」
信道は涼に怒鳴り上げる。
「わるい…」
「だが奴は今のままでは勝てないぞ!」
「それにみんなの治療もしないと!」
そうだこのままじゃ皆んな死んでしまう。
「どうした?勇者共怖気ついたか?」
「のぶさん…みんなを頼む!俺が奴を食い止めるかその間にみんなを連れて脱出してくれ!」
涼はガッチ・ランクアップを出し宝救剣に装備する。
「涼、何を言ってるんだ!死ぬぞ!」
「大丈夫だ!こいつがあるからな!」
涼はレバーを上に2回動かして真ん中で止めるとレバーの中央の人口宝石を押す。
アップ!アップ!アップ!ガッチランクアップ!フレイム!熱すぎ!
「ランクアップチェンジ!」
宝救剣から赤い光が炎の様に吹き出し涼の体を纏いパワーアップ形態へ変身した。
「ホウキュウレッド!ランクアップ!」
涼は剣を構える。
「涼!いくらパワーアップしたからってそんな簡単には!」
「時間くらいは稼げるさ!じゃあのぶさん、頼んだぜ!」
涼は信道に仲間達を任せ1人ヴァンデストに戦いを挑む為に走り出す。
「涼!」
信道の言葉届かず涼はヴァンデストに剣を振りかざし向かっていく涼。
「ヴァンデスト俺が相手だ!」
「ぬかせ赤いの!」
互いの剣が凄い音を立てながら火花を散らす。それだけ重いのだ互いの剣が。
「たく、あの馬鹿…」
信道は血を流している4人の元へ走り、治癒ジュエルを取り出して急いで使う。
何せ大量に出血でこのままじゃ本当に死んでしまうからだ。
「ちょっとはやる様になったな赤いの!」
「はぁ、はぁコイツ化け物か…」
パワーアップしてようやく目が奴の動きを見える様になったがやはりヴァンデストの方が優っている。正直かなりキツイ。
「オラよ!」
ヴァンデストの横一線を防ぐ。
しかし、パワーが凄すぎて吹っ飛ばされる涼。何とか踏ん張り倒れはしなかった。
「だったら!」
涼はレバーを下に二回下げ真ん中に止めるとレバーの宝石を押すと涼は走り出す。
アップ!アップ!アップ!ガッチランクアップ!ランド!育ちすぎ!
剣から砂金の様な光りが放たれ体に纏いホウキュウレッドは黄色に変わりヴァンデストに殴りにいく。
ヴァンデストは剣で涼の拳を受け止める。涼はそのままヴァンデストを押していく。
「ほお〜力が上がったか!」
グランドはスピードは下がるがパワーと防御が格段にアップする形態だ。更に木々や岩など大地を操る地属性の形態だ。
「だが甘い!」
ヴァンデストは弾くと蹴りを涼の腹にお見舞いする。
「ぐはっ!」
涼は吹っ飛ばされ壁に埋まる。
「くそ、力でも駄目か…なら!」
涼はレバーを左に二回引き真ん中に止めると宝石を押す。
「速さで勝負だ!」
ウインド!吹き過ぎ!
涼は緑色に変わり剣を構えて物凄い速さでヴァンデストに突っ込む。
「スピードで張り合うとかマジ無理だろ!赤いの!」
そういうとヴァンデストも消えた。
2人は目にも止まらぬ速さで剣で斬り合っているのだ。
気配はあるのに見えない何がどうなってるんだ?
「のぶ?何がどうなってるんだ?」
「いてて訳がわかりませぬ…」
「のぶさん涼さんは?」
「ヴァンデストとやり合っている」
「アイツまた…」
ようやく4人の応急処置を済ませた信道。
意識を取り戻した4人は状況を把握できない。
涼とヴァンデストは音速の速さの中で互いに剣を激しくぶつけ合う。
たが、涼はこの音速の世界に慣れてない為凄いGに体を持っていかれそうになる。
「お前は俺の領域に達してはいるがまるで素人だ!」
ヴァンデストは涼の懐に横一線をかます。
「ヤバイ!」
涼は体を真っ二つにされた。
「何?」
斬られたのは水だった。
涼はすんでのところでレバーを右に二回引き真ん中の宝石を押していた。
ウォーター!濡れすぎ!
「うわ!」
青い姿に変わったホウキュウレッドが皆の元へ落ちてきた。
「涼!」
「大丈夫か涼!」
「今の俺達じゃ無理だ…」
涼はそう言うと気を失い変身は解除された。
しかも、よく見ると体中血だらけな上に鼻血や目から血をながしている。
オイオイ!これやばいぞ!
「みんな!一旦引くぞ!」
信道は4人に人口宝石を投げると涼を背負う。
「「煙幕ジュエル」」
コハクとリアは宝救剣に人口宝石をはめるとグリップを引くと剣を振りかざし黒い刃をヴァンデストに放つ。
「しゃらくせえ!」
ヴァンデストは刃を斬ると爆発し黒い煙が溢れる。
「煙幕か!」
「今だ2人共!」
「「落とし穴ジュエル!」」
カイエンとルーガルは人口宝石を宝救剣にはめるとグリップを引き地面に刺す。
するとたちまち穴が空き六人はその中に落ちた。
穴はトンネルの様に長く続きまるで滑り台だ。
リアは滑りながら通信ジュエルで馬車の秘密基地に連絡をした!
(はいはい?)
「姫さま!」
(リアどうしたの!?)
「大至急塔の前まで馬車を急いでー!」
(わ、わかったわ!)
ホログラムは消えた。
光が見えて6人は塔の入り口へと飛び出し砂漠を転がる。
「ティラ!」
ルビティラが馬車を引っ張りこっちに猛スピードで来た。
「みんな!大丈夫!」
ルビティラが止まると6人は馬車に乗り込む。
「ルビティラ!こっから離れろ!」
「ティラ!」
わかった!ルビティラは振り返らずひたすら走り砂漠と化したカイアナスを全力で逃げた。
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