第31話 私も行くであります!

アリシア姫がルビティラ達宝石獣を引き連れて加勢に来てくれたおかげで形勢が逆転した。雑魚はルビティラ達が引き受けてくれている。

涼達は一旦集まる。

「ルビティラが来るとはな!」

「何にしても助かった…」

「後はコイツらだ!」

怪人とハンターズそしてアッシュベルとかいう科学者だ。

「俺と涼とカイエンで行く!」

「わかったぜのぶ!」

「コハクとルーガルはあの怪物をリアはベルを保護に行け!」

「「了解!」」

「行ってきます!」

役割分担すると散開する。

「形成逆転だな!」

「雑魚は邪魔なだけだ!」

涼は宝救剣を鞘に戻してティラノファングをトンファーモードにしカズに振りかざす。

カズもカルタノファングを双剣モードにし構えると互いの武器がぶつかり合い激しい火花を散らす。

「邪魔ですよ!」

「当たらなきゃ関係ない!」

アインはスティラコバズーカをやたらと撃ちまくる。しかし破壊力はあるが当たらなきゃ意味はない。カイエンは上手くかわしながらステゴアーチェリーを撃ちながら距離を迫る。

「おら!」

「舐めないで下さいよ!」

カイエンがステゴアーチェリーを畳み爪モードにし右手には宝救剣を構え斬りに行く。

アインもスティラコバズーカを打撃武器にし剣を降りかざす。

「おっさんは引っ込んでなよ!」

「おっさんを舐めるなよ小僧!」

プテラ大剣と宝救丁が激しくぶつかり合う。

「お前さ技ばかりに頼ってるから根本的な強さは無いな!」

「なんだと!」

信道はチェンジエッグに人口宝石を入れると裏の切れ目に宝救丁を当てスライドさせる。

「これをくらいな!」

信道が宝救丁を振りかざすと光の刃を放つ。

「へん!何だこんなもん!」

プテラ大剣で真っ二つにした時だった。

ばちゃっ!と刃が破裂し何か吹き出しカイトの目に入る。

「ギャーー沁みる!何だこれ!?」

緑色の液体が目に入ってる。

「あはは!どうだ?特製のネギ汁ジュエルは!」

ネギ汁だぁっ!?誰だそんなふざけたスキルをつけた奴は!?

「涼お前のアイデアジュエル役に立ったぜ!」

「マジか!」

テメェかよ!うわ目が開かない!!

「何馬鹿やってるんですか!」

アインがスティラコバズーカを放とうとすると。

「させるかよ!」

カイエンも人口宝石をはめ込みグリップを1回引くと振りかざし光の刃を放つ。

刃はアインに直撃すると爆発し黄色い煙が上がる。

ブーーーブーーー!

「んぐがぁー鼻が鼻が!!」

「催涙ガスですか!うっくっさーい!」

カイトとアインはもがいてる。

まさか涼のダサいアイデアジュエルがこんな形で役に立つとはな。

「お前達何を遊んでいる!」

「んぐ!文句いうんだったら近づけよ!」

「んぐ!全くで…す…」

カズは嗅ぎたく無いのか近づかない。

「それもう一発!」

涼も宝救剣に人口宝石をはめ込みグリップを引き、刃を放つ。

カズの足元に放ち爆発する。

グチャ!んグチャ?

カズの足元に何やら泥がいやこれは肥料だ。

しかも牛の排泄物の。

「ひ!牛のフンの肥料が!」

カズはバランスを崩し倒れてまだ漂っているオナラジュエルの煙に入る。

「んぐ!よるなお前ら!」

「臭い臭い!」

「テメェら消えろよ!」

何やら色々ともみ合っている3人。

今のは傑作の腐葉土ジュエルだ!

作った時はもうバッシング食らったが。

「あははは!こんなダサい技で動けなくなるとは」

「だがエゲツない技のジュエルだな」

「よし、コハク達の加勢いくぞ!」

「テメェら待ちやがれ!んぐ!くっせー」

馬鹿勇者はアレでいいのか?まあいいか!

よくねぇよ!待ちやがれ!

涼達はほっとくことにした。

「オラオラどうした!」

老婆の怪人が口からくっさい液のビームを撃ちまくる。もっとまともな技はないのか!

「汚いですな!たく!うわ!」

しかも当たると腐るまじで植物が溶けた。

「ほらほら!」

「あーもう!

コハクは人口宝石をはめ込みグリップを引きそのまま老婆怪人の口の中に光の刃を放つ。

刃は怪人の口の中で爆発し老婆怪人の口が凍りついた。

「あがががが!?」

「アイスジュエルだ!」

「固まれば怖くありませんな!」

だがしかし、バリンと氷を砕きそのまま吐き出した。

「いてて!」

「汚い汚い!」

コハクとルーガルは吐き出された氷に当たり吹っ飛ばされた。

「そんな子供騙しが効くかい!」

「ならこれだな!」

「のぶ?」

チェンジエッグに人口宝石をはめ込み閉めボタンを押すと裏返し切れ目に宝救丁の刃を当てスライドする。信道は宝救丁からピンクの刃を放つと老婆怪人に当てた。

「な、何だいこれは?」

「そらお前ら行って来い!」

「「「「え?」」」」

涼達四人を老婆怪人に向ける。

「あら!イケメンだーい好き💘」

老婆怪人の口が巨大になり涼達に迫ってくる。ぶちゅー!

「「「「うわー!」」」」

涼達は怪人から逃げ回る。

「のぶさんテメェ!メロメロジュエル使いやがったな!」

「お前が下らないジュエルを作ったせいだろが!涼!!」

これもまた涼が作った下らないスキルジュエルだ。

「何やってるのかしら?」

「ティラ?」

さあ?オイ助けろよルビティラ!

「お前らそのまま逃すなよ!濁酒銃」

信道は濁酒銃を取り出しシリンダーに金塊を入れたチェンジエッグを入れシリンダーを回す。

シェイク!シェイク!シェイク!〆の一杯!

「雷酒一撃!はっ!」

涼達が怪人から気持ち悪いキッスを受ける前に放たれた雷の弾丸が老婆怪人に当たり老婆怪人は爆死した。

「はあ…た、助かった…」

「のぶテメェ!」

「はかったなのぶ殿!」

「のぶ!!」

「あははは!悪い悪い!」

全然悪びれてないぞこのおっさん!

:

「兄様、初代魔王陛下を蘇らせるってそんな事出来る訳ないでありますよ!」

「ファーリーヌ、君はだからダメなんだよ!目先の事ばかり見ているから!」

「科学者ならもっと深く理解しないと、僕が根拠もなくそんな話をするわけないだろ!」

根拠があるんでありますか!?死者を蘇らせるなんて。

「何にしてもアレが見つからない以上はこの世界の材料で代わりを作らないと!」

「か、代わり?」

「そう、魔王陛下を蘇らせる力を持つ原初の宝石獣を呼び覚ます鍵をさ!」

「げ、原初の宝石獣?」

「ベルちゃん!」

リアがパキケファログローブを装備しアッシュベルにパンチをお見舞いするが、いつのまにか交わしていた。

「兄様まつであります!」

「兄様様!?」

「ファーリーヌまた会おうね!」

アッシュベルはそう言うと消えた。

:

「婆さん弱すぎるし〜」

またコギャル魔が現れて黒い宝石を老婆怪人に与えた。

すると忽ち老婆怪人は巨大化し復活した。

「ありがとね〜」

うわ、デカくなるとキモさ爆発だな。

「グガァァァ!」

空からカルタノハオーまで飛んできた。

「お前ら!さっきはよくもやったな!」

「踏み潰します!」

「死ねや!」

カルタノハオーは涼達を踏みつける。

「根に持ってんなありゃ…」

「みんな!宝石合体よ!」

アリシア姫がルビティラに跨り駆け寄ってきた。

「よし、のぶさんババアは任せた!」

「俺がやるのか?」

「これでアイコな!」

「頼みましたぞ!」

「任せたよ」

「姫様、ベルちゃんとのぶさんの巨人に乗って下さい!」

え!?俺がお守りするのか!?お前らも相当根に持ってるな…

「信道!早く!」

「たく、ゴルーケン!」

「アーアーアーアー!」

ゴルーケンが飛んできた。

「宝石合体!」

ゴルーケンとイカちゃん、カブト、アンキロの体が光りバラける。アンキロを中心にゴルーケンとカブトが合体し、イカちゃんが武器を作り装備し合体完了!

「上がったぜ!エンカイオー!」

合体完了!

「こっちも行くぜ!ルビティラ!」

「ウガァァァ!」

よっしゃー!

「超宝石合体!」

ルビティラ、ワニ爺、マリケラ、パッキー、ラルトル、オニステの体が光バラけると、ルビティラを中心に宝石獣が一つになり覇王を倒す宝石巨人が誕生する。

「「「「「完成!ゲーターホウキュウオー!」」」」」

ホウキュウジャーの二代巨人が揃いそれぞれの相手に向かっていく。

「うわ!凄いであります!合体したであります!」

「コックピットなんて初めてよ信道!」

「少し静かにしてくれませんか姫様!」

あーもう気が散る。

エンカイオーはイカ大剣を振り回して老婆怪人を斬りつける。

「小癪な!」

「イカ墨!」

イカ大剣から墨が吐かれ老婆怪人にかかると爆発した。

「行くぞ!」

「抜かすな!」

ゲーターホウキュウオーとカルタノハオーが互いの剣をぶつけ合う。

カキン!カキン!と互いの剣がぶつかり合い弾き合う。

ハッキリ言うが、カルタノハオーはゲーターホウキュウオーのパワーには勝てない。

わかっている筈だ何でこんなムキになって攻撃してくるんだ!?

「もうよせ!宝石獣達が泣いているぞ!」

「コイツらには感情は無い!所詮は道具だ!」

「宝石獣達が道具だと!」

「所詮は鉱石、石コロだ!こわれりゃそれまでだ!」

「カズ…」

「熱くなりすぎですよ!」

「いっぺん頭うちやがれ!」

ゲーターホウキュウオーはカルタノハオーを離してバスターソードで斬りつけて吹っ飛ばした。

二体の宝石巨人は剣を構えて必殺技を放つ。

「ゲーターホウキュウオー!バスターソード!」

「エンカイオー!ダイオウイカ一閃!」

二体の宝石巨人の必殺技か各相手に当たり、老婆怪人は爆死し、カルタノハオーは爆発したが合体は解除されず空へ飛んでいってしまった。

俺達は救えなかった村の人達の墓を作った。

俺達がモタモタしていたから助けられなかった人達がいた…やっぱり現実は特撮とは違う…助けられない人達がまたこれからも増える…俺は…

「涼!見てみろよ!」

信道が肩を叩き後ろを指を指す。

指の先には助ける事が出来た人達が祝福してくれている。

「命ってのは全てを助けられる訳じゃない…判るな?」

「ああ…」

「俺達は救えなかった人達の分まで生きて戦い必ず報われなかった人達の為にも強くなろう!」

「のぶさん!」

「アイツらの好きにはさせない!」

「人の命を材料に武器を作ってると判った以上は止めないと!」

「魔人族は必ず倒しますぞ!」

「あの馬鹿勇者達もな!」

「みんな!ちょっと待って!」

リアがベルと一緒に待ったをかける。

「魔人族は全てが悪いわけじゃないと私は思う!」

「そうよ!みんな、ベルちゃんみたいな子が魔人族と判った以上全ての魔人族が悪なんて思えないわ私も!」

リアとアリシアはベルから聞いた話を皆に話した。

「私の兄が…ルビティラ達の家族を皆さんの家族の命を奪ったんであります…」

ベルは涙を流す。

「身内が…身内がとんだご迷惑をおかけしたであります…ごめんなさい」

ベルは泣きながら土下座をした。

「頭を上げな豆ジャリ!」

「ひっぐ…」

涙と鼻水で凄いことになってる。

「俺達も一つ賢くなったぜ!」

「魔人族と言うより魔王軍が何かを企んでいる。それが分かったんだ!」

「もしかしたら魔人族との和解も夢ではないかと我輩はおもえますぞ!」

「ルーガルにしては空気読んだな!」

「のぶ殿酷いですぞ!」

いやだってコイツ空気読まないしな。

「ベルのおかげで俺達は一つ間違いを見つけたんだ!魔人族は全てが敵じゃない!それが分かったんだ不要な争いを一つ解決できたじゃないか!」

「り、涼…さま…みんな…」

ベルは涙が止まらない。

人間族は皆身勝手と聞いた、でもまさか故郷の仲間が命を実験材料にしてて責任者が自分の兄なんて思わなかった。

そいつの妹である私をみんなは…こんなに優しく…

「決めたであります!私もホウキュウジャーに入れて欲しいであります!兄を止めたいであります!」

「いいのか?にいちゃんと戦うんだぞ!」

「はいであります!」

力強く答えるベル。

「わかった!今日から仲間だベル!」

「涼様!」

「様はいいって涼だ!」

「はい!涼さん!」

ベルは握手を交わす。

「さーて飲み屋を開くぞ!みんな配置につきな!」

「え…?」

「ベル嬢ちゃんは接客な!」

信道ははっぴを取り出し着せると屋台の準備を始めた。

その夜、俺達は頑張って働いた。訪れた人達に精一杯の持て成しと亡くなった人たちへの冥福を願いながら。

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