第27話 6人の勇者

ガネット国王に俺達は呼ばれ俺達は玉座の間に来た。玉座には王と側近が居た。

「勇者諸君よく来て下さいました!」

本当に俺達に対する接し方が変わったな。

「それで用事とは?」

「ああ、勇者諸君には改めてカイアナスへ向かってほしいのだ」

カイアナスって俺達が指名手配時代に向かおうした多種族国家でこの国の境界線の国か。

「何故カイアナスに?」

「うん、最近カイアナスが魔人族に襲われ乗っ取られたらしい」

「魔人族に乗っ取られた!?」

魔人族が他の国を乗っ取ったって…大方この国が俺達の味方になって活動出来なくなったからだろうな。元々はここで奴らは活動していたからな。

「俺達にカイアナスを取り戻せって言うのか?王様」

「その通りです涼殿」

「わかった!俺達に任しとけ!」

二つ返事しやがったやっぱ…涼の奴馬鹿のくせに正義感だきゃあるからな。

やはりこうなったかと思う三人。

「涼殿!我輩はどこまでもついて行きますぞ!」

「頼りにしてるぜルーガル!」

この蜥蜴も馬鹿だから…と思う三人。

「たく、二つ返事しやがって…」

「涼は馬鹿だからな…」

「まあ、涼さんらしいですよね…」

「お前らも苦労してるんだな!」

やれやれと慰める信道。

「お父様!私も彼等に同行したいとおもいます」

「だが、アリシアよお前はまだ子供だ!」

「ですが…」

「お前に何かあってからでは遅いのだ、だから残って公務を手伝って貰いたい」

「わ、わかりました…」

渋々と了承したアリシアだが、その顔は何が企んでいる。

「カイアナス解放後は我が国が責任を持って復興と支援を約束する」

「よし、カイアナスへ出発だ!」

涼が気持ちよく切り上げようとした時だ。

「報告します!魔人族が我が国に攻め入り子供達を次々とさらっています!」

「な、何だと!?」

「出発前に仕事だ!いくぞ!」

涼達は城を後にして街へ急いだ。

「いいか、一人残らず連れていけよ!」

街では頭がフラスコの怪人が兵士達に子供を攫わせていた。

「オイ魔人族!」

「あん?」

涼達が駆けつけた。

「勇者共か」

「子供を攫って何をしようってんだ!」

「さあな、俺は命令に従ってるだけだ!」

「何にしても子供達は返して貰うぜ!みんな行くぜ!」

「「「「「オウ!」」」」」

涼達は宝救剣を取り出してチェンジストーンをはめ込み、信道は宝救丁を取り出してチェンジストーンを卵形のチェンジエッグに入れスイッチを一回押す。

レッド!ザ!武装!

ブルー!ザ!武装!

ピンク!ザ!武装!

グリーン!ザ!武装!

ブラック!ザ!武装!

ヘイ!とりあえずゴールド一丁!

「「「「「武装」」」」」

「乾杯」

宝救剣と宝救丁から光から溢れ出す、各勇者の体に纏い鎧になり最後に各パートナーを模したヘルメットを被り変身完了!

「何、6人だと!?」

「情熱のルビー!ホウキュウレッド!」

「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」

「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」

「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」

「輝やくピンクダイヤ!ホウキュウピンク!」

「一金提供!ホウキュウゴールド!見参!」

「「「「「「勇気の宝石を身に纏いい!」」」」」」

「宝石戦隊!」

「「「「「「ホウキュウジャー」」」」」」

名乗り終えると各色の花火が上がる。

「憧れた六人台詞最高ーー!!」

涼は両手を高く上げ声を上げた。

また始まった…

涼さんの病気ですね…

本当に好きだな名乗りが…

6人とはまた新鮮ですな!

名乗りも悪くないな!

もはや名乗り無しでは戦隊は語れない!

「語らんでいいわ!やっちまえ!」

フラスコ怪人が兵士達に命令した。

「人の心読むな!」

涼達も武器を構えて突撃する。

「みんな!ガラス野郎は涼と俺でやるから!子供達を!」

信道はみんなに指示した。

「わかりました!」

「了解ですぞ!」

「のぶ、涼頼んだ!」

「気をつけろよ!」

コハク達は縛っている子供達を馬車に詰めている兵士達の元へ走る。

「「ウエポンアップ!」」

涼と信道はティラノファングと濁酒銃を取り出して構えた。

「ティラノファング!」

右のティラノファングでフラスコ怪人を殴る。

「液体窒素!」

「げ!冷え!」

ティラノファングが一瞬で凍りついた。

「ならこいつだ!」

信道は濁酒銃にタイガーアイとルビーを装填しカクテルシリンダーを回す。

シェイク!シェイク!シェイク!上がったせ!

「ウィスキーファイヤー!」

熱々のウィスキーの弾丸を放つ。

「ホイエタノール!」

フラスコ怪人からエタノールが放たれ、信道の弾丸は大爆発した。

「あらま、効かないか…」

「だはは!酒なんか聞くわけないだろ!」

ヤバイ理解の実験のごとくだ。

「だったら!これだ!」

信道はカクテルシリンダーにオパールと金塊を入れると回した。

シェイク!シェイク!シェイク!上がったぜ!

「電気ブランド弾!はっ!」

「アルコールファイヤー!」

手のアルコールランプから火を放つと弾丸は爆発した。

しかし…

「あれ?ピリピリしてきた何だこれは??」

「電気ブランドって言う酒だ!」

だから爆破して麻痺を与えた訳か!

電気ブランドって京都の酒だよな?第二次大戦時代にあったかそんな酒?

「あの穴ふさぐか!」

信道はカクテルシリンダーにパールを入れると回す。

シェイク!上がったぜ!

「甘酒弾!」

放った弾丸がフラスコ怪人の頭に当たりフラスコの口が詰まった。

「あれ?何か詰まった??」

「のぶさん俺にも出番たのむよ!」

「お!行って来い!」

俺は宝救剣に新しく作ったスキルジュエルをはめ込み1回グリップを引いた。

「くらえ!生コンジュエル!」

宝救剣から生コンが吹き出してフラスコ怪人の体に当たる、たちまちコンクリート固めにされ動けなくなった。

「何だこれ動けねぇ!?」

「確かにダサいセンスだな…」

「のぶさんも言うかよ!」

「褒めたんだよ!」

信道は丸い金塊をチェンジエッグに入れカクテルシリンダーに入れるとシリンダーを回す。

シェイク!シェイク!シェイク!〆の一杯!

「雷酒一撃!はっ!」

コンクリ固めの怪人に容赦なく雷の弾丸をお見舞いする信道。

「出番はこれだけ!?」

フラスコ怪人はそう言うと爆死した。

本当に出番少なかったな…

「あれ?もう終わっちゃったんですか?」

「子供達は?」

「カイエンとルーガルが城まで連れて行った」

「お疲れさん!」

信道はそう言うと背中をバシッと叩いた。

「のぶさん!」

「痛いよのぶ!」

「お!やっと素直になったな虎坊!」

「と、虎坊ーー!?」

コハクは変なあだ名をつけられた。

「やっぱ弱かったし〜」

「あ、コギャル魔!」

「もっとダサいし〜アンタ臭いし〜」

何だとこんにゃろ!

コギャル悪魔はいつも通り黒いダイヤを取り出して爆死した怪人に落とした。

「サンキュー!」

うわ、また復活した…

「よし、ホウキュウオーで!」

「いや、今日は俺な!」

カイエンはチェンジエッグに金塊をいれてボタンを三回押す。

おまっとさん!ゴルーケン一丁!

「次はイカ子ちゃんな!」

次にイカちゃんを呼び出す。

おまっとさん!トパーズスクイート一丁!

城に置いてあるおでん屋台からゴルーケンとトパーズスクイートが飛び出して巨大化した。

「アーアー!」

「くーくーくー!」

来ましたわよ!のぶ様!イカちゃんは礼儀正しいな。ゴルーケンはうるさい…

「お前らカブトとアンキロを任せた!」

信道はそう言うとゴルーケンに乗り込んだ。

「あ、行っちゃった…」

「しょうがないですね、アンちゃん!」

「来いカブト!」

馬車の秘密基地からカブトとアンキロが飛び出し巨大化した。

「キロ!」

イケメンと合体なんて萌えるわ〜アンちゃんやる気満々ですね。

「きーきー!」

武士たるもの刀になれるとは嬉しいでござる。いや刀ではないぞあれは…

コハクとリアは二体に乗り込む。

「おーい!俺余ってるぞ!」

涼は取り残された。

「二人も来たか!よし宝石合体!」

ゴルーケン、アンキロ、カブト、イカちゃんが光輝くとバラけた。

アンキロが甲羅を前にして胴体と肩を作り、カブトの身体が分かれて両手になり合体、ゴルーケンの羽が両足になり合体し頭部をつくり合体し本体は完了!

イカちゃんは頭を残し足はエンカイオーの背中に合体しアンキロのハンマー付きの尻尾とカブトの頭がイカちゃんの身体と合体しイカ大剣をつくり装備し合体完了!

「上がったぜ!エンカイオー!」

三人はコックピットに集まる。

「つくづく思うが何でエンカイオーなんだ?」

「居酒屋の巨人だからだ!」

「まんまですか…」

「ほら来たぞ!」

エンカイオーはイカ大剣を振り回してフラスコ怪人を斬りかかる。

「ふざけた名前と見た目のくせに強いじゃないか!」

フラスコ怪人はまた液体窒素を放つ。

「アンキロウォール!」

腹部にあるアンキロの甲羅がぐるぐる回りバリアを張り液体窒素を跳ね返した。

「動けない…」

「さっさと片付けますか!イカ大剣!」

エンカイオーはイカ大剣を構える。イカ大剣は雷のエネルギーを溜め込み始めた。

「エンカイオー!ダイオウイカ一閃!」

雷を纏ったイカ大剣でフラスコ怪人を真っ二つにした。

「最後まで出番少ない…」

フラスコ怪人は爆死した。

「まいどあり!」

エンカイオーの勝利!

:

色々あったが俺達は正規のルートでカイアナスを目指して王都を出発した。

「はーー!?おでん屋台をこのままやるって!?」

馬車の中の秘密基地に響き渡る涼の声。

「おでん屋台じゃない、飲み屋の屋台だ!」

「何で俺達が居酒屋やりながら旅しなきゃいけないんだよ!」

「資金確保さ!飲食店は経費の回収も出来るし情報も集まる一石二鳥だろ!」

居酒屋やりながら旅する戦隊なんて絶対になかったはずだ。

「それに魔人族のせいでお金の工面が中々難しいんです」

「お姫さんどっから現れた!?」

いつのまにか現れたアリシア。

「ああ、信道に頼んであの冷蔵庫と城のクローゼットと繋げてもらったんです」

「何!?」

俺は冷蔵庫を開ける、その先は広い部屋だった。

「マジだ…どうなってんだこれ?」

冷蔵庫を閉めた、冷蔵庫につまみがついてる。

「このダイヤを回すとスキルジュエルで繋げた各部屋に行けるんですよ!」

「もちろん冷蔵庫としても使えるぜ!」

いつの間に色々といじったな本当に。

見渡すと色々追加されている、のぶさんの為の調理場に冷蔵庫にすいそう中にイカちゃんが居た笑

元々あった作業場はグレードアップしてて、なんか色々作れそうだ。まあのぶさん錬金術師って言ってたからな。

「つまり、お姫さんは俺達にじしつついてくると…」

「はい!これからお願いしますね!涼様!」

アリシアはくるっと回りスカートを上げお辞儀した。

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