第6話 デカすぎ!沼地の主

しかし、いくら異世界だからってな、何で蜥蜴が四人目なんだよ!

未だ信じられない、この目の前にいる顔が蜥蜴の怪物みたいな奴が勇者が何で…確かに人間じゃない初期メンバーや追加戦士はいるが、蜥蜴は流石にいなかった…

そんな事を俺が考えたいた時だ…

ドッカーン

と大爆発が向こうからして煙が上がった。

「わー!我輩の村が!!」

ルーガルは声を上げて爆発した方へ走る。

「俺達も行くぞ!」

俺達も跡を追う。

爆発した先はリザードマンの村だった。

「探せ!探せ!この沼の何処かにあるはずだ!」

全身燃えた石炭の怪人が兵士達を引き連れてリザードマンの村を襲っている。

「兄者!」

ルーガルが村に戻る。

「これは!?沼が干からびてる!」

リザードマンの村の周りの水溜りや沼が干からびて地面が剥き出しになり泥は乾き砂になってしまっている。

更には周りには倒れていたるリザードマン達が沢山いた。

「兄者!しっかりするのだ!」

ルーガルは一際大きなリザードマンに近づく。

「る、ルーガル…何故戻って来た…」

「兄者!我輩は!」

「退かぬか!貴様は邪魔だ!」

体のデカイリザードマンはルーガルを突き飛ばす。

「兄者その身体では!」

ルーガルの兄のリザードマンは身体から大量の血を流している。目も切れている。

「我がやらねば!」

リザードマンは槍を支えに立ち上がるがよろけてしまう。

「兄者!」

「蜥蜴風情が魔人族にたてつくからだ!」

「何だと!」

ルーガルは兄の槍を拾い構える。

「止めろ…ルーガル…お前では勝てない…だから逃げろ…」

「嫌だ逃げぬ!今度こそ逃げぬ!」

ルーガルは槍を片手でグルグル振りまして石炭の怪人に飛びかかる。

敵兵達は剣を片手にルーガルに襲いかかる。

「舐めるでないわ!」

ルーガルは敵兵の剣を素早く動きながらかわす。スライディングして槍を斬りつけ、槍を支えに高く飛び上がり攻撃をかわし槍を引き抜き矛先を構えて回る様に円を描き敵兵を一気に倒す。

「動きは速いが」

「だぁーー!」

ルーガルの槍は簡単に止められる。

「パワーが足らんな蜥蜴!」

石炭の怪人は身体から熱い蒸気をルーガルにお見舞いする。

「ぐぁぁぁーーー」

ルーガルは余りの暑さに身体中を砂まみれになるまでもがいた。泥がていうか水がないからだ。

「ハァ、ハァ…」

身体を火傷しルーガルは這いつくばるしかない。

「所詮は蜥蜴だ!這いつくばるのがお似合いだ!」

「卑怯者…」

ルーガルは涙を流す。

我輩が小さいからか…だから勝てないのか…だから兄者は認めてくれないのか…クソっ!

ルーガルは地面の土を握る。悔しい…我輩は…悔しいぞ…

「ははは、干物になってろ!蜥蜴!」

石炭の怪人は再び熱い蒸気を放つ。

「くっ!」

もう駄目か!?

「ダイヤナックル!シールドウォール」

リアがとっさに巨大なダイヤを作り壁にし防いだ。

「あん?」

「トリケラキャノン!」

コハクはトリケラキャノンを放つ。

「うわ!」

石炭の怪人を吹っ飛ばした。

「お、お主達はいったい?」

「よ!ルーガル大丈夫か?」

「な、何故我輩の名前を!?」

我輩はこの者達など知らぬぞ!

涼達は変身してから現れた為ルーガルは先程の涼達と判らない。

「全く涼が泥濘みハマるから遅くなったんだぞ!」

「そうですよ、助けるの大変だったんですから」

「悪かったって!」

実はルーガルを追いかけ際に涼は底なし沼にハマってしまい動けなくなってしまい、救出していた為遅くなってしまったのだ。

「何だ貴様ら!人を無視して盛り上がってんじゃなーい」

「お前人じゃないだろ!」

いや突っ込む所はそこじゃないですから。

涼は本当に馬鹿だ…

「話を逸らすな!貴様は何だ!」

「俺達は、宝石戦隊!」

「「「ホウキュウジャー」」」

名乗り上げカッコいいポーズを決める!これが最高だぜ!

「毎度コレをやるのかい涼…」

「流石に恥ずかしいです…」

「コレは絶対に外せない!イヤ外しちゃいけないんだ!」

何を言っているのだ?この者達は?我輩を助けに来たのではないのか?

「ホウキュウジャー??あ!貴様ら噂の勇者か!」

「俺達を知ってるみたいだな!」

「馬鹿なパフォーマンスをしてると魔王軍の間で有名だ!」

馬鹿なパフォーマンス…何故だ!特撮では超カッコいいシーンだろ!

イヤ異世界だからここ…君の世界の常識は通用しないから。

そもそも特撮は何度説明されても解りませんよ…

仲間になった二人は耳にタコ出来る程語られたが全く理解できない。

「何を沈黙している!やってしまえ!」

敵兵達が涼達に襲いかかって行く。

「涼来たぞ!」

「行きます!」

二人は専用武器を構えて迎えうつ。

「あ、待てって!ウエポンアップ!」

涼もティラノファングをトンファーモードにして取り出して構え迎えうつ。

三人は専用の武器で敵兵をどんどん倒していく。

「ダイヤモンドスターダスト!」

リアはパキケファログローブから無数のピンクダイヤモンド放ち一気に敵兵を蹴散らした。

「とお!マリンシャワー!」

コハクは高く飛び敵兵目掛けてビームを雨の様に鋭く細く放ち矢の雨のごとく撃ち敵兵を蹴散らした。

「ティラノファング!」

涼は親玉の石炭の怪人にティラノファングをブチかます。

「あれ?固った!」

ティラノファングでも噛みきれない。

「馬鹿か貴様?硬度の高い石炭に噛み付き攻撃が効くと思ったのか?」

マジかよ!そういやダイヤって石炭が硬化したものだったな確か!

原理が同じなら効かないか、だったら!

「フレイムファング!」

涼はティラノファングを噛みつかせたままフレイムファングを発動する。

燃やしてやる!

あれ?確か炭とか鉱物は熱を…

「熱っちーーー!」

噛みついてる箇所が高温になりたまらず涼はティラノファングを放した。

「君は馬鹿か!石炭に火なんか撃ったらあっというまに熱が伝わるだろ!」

そうだった!岩とかは熱をモロに伝えるんだった!!つか水水!!

「あははは!それで貴様は勇者か?大道芸人のがお似合いだ!」

「あっちー!馬鹿にしやがって!」

いや馬鹿でしょ涼さん…

グラグラ

「な、なんだ??」

「地震か?」

「この揺れは奴か!」

は?何かいるのかこの沼??

干からびた沼の底の地面から何か這い出てきた。

「ワニーーー!!」

何だありゃっ!?

「ワニーーー!」

地面からオレンジ色の光沢の巨大なワニが出てきた。

「まさか、宝石獣!」

「出たな!宝石ワニ!貴様を探していたんだ!」

「ワニーーー!」

デカイ声を上げて宝石ワニは暴れ始めた。

うわ!あぶね!

「何だあのデカイワニは??」

「宝石獣ですよね?」

「だが様子が変だぞ?」

宝石ワニは目を赤く光らせ手当たり次第に攻撃している。

このままじゃリザードマンの村がヤバイ!

「こい!ルビティラ!」

涼が叫ぶとルビティラが巨大な姿になり現れここまでジャンプしてきた。

「ウガァァァ!」

ルビティラは雄叫びをあげる。

「アレが宝石獣、何て美しいんだ!」

ルーガルは見とれてしまった。

「ルビティラ!あのワニを止めてくれ!」

「ウガァァァ!」

ルビティラはワニに向かって走る。

二匹の巨大な宝石獣が身体をぶつけ合う。

ワニはルビティラの足に噛み付き、ルビティラは尻尾に噛み付く。

「頑張れルビティラ!」

「ティラ!」

ルビティラは宝石ワニの尻尾に噛み付いたまま投げ飛ばした。

宝石ワニは尻尾で大ジャンプした。

「ティラ!?」

「ワーニー!」

宝石ワニはルビティラの首を噛み付きそのまま投げ飛ばした。

ルビティラはもがいている。

「ルビティラ!」

「ティラ…」

ルビティラは立ち上がる。

「コハクわたし達も!」

「涼、ホウキュウオーだ!」

「わかった!ルビティラ合体だ!」

「ウガァァァ!」

よしきたっ!と雄叫びをあげる。

「こいマリケラ!」

「来てパッキー!」

二人の呼びかけを聞くとマリケラとパッキーは馬車の中の宝石箱から飛び出し巨大化した。

「宝石合体!」

ルビティラ、マリケラ、パッキーは身体をバラして人型に集まっていく、今ここに伝説の宝石巨人が誕生するぜ!

合体完了!

「「「完成ホウキュウオー!」」」

ホウキュウオーは宝石ワニに走り背に乗り押さえつけた。

「暴れんじゃねえーこのやろう!」

ワニは身体から眩い光を放ちホウキュウオーを引き離すと尻尾を叩きつけ吹っ飛ばし身体に思いっきり噛み付く。

「ウガァァァ!」

痛てててて!っとルビティラは唸り声を上げる。

宝石ワニは空中にホウキュウオーを投げ飛ばすと尻尾で飛び上がる。

そしてエネルギーの貯まる尻尾で叩きつけられホウキュウオーは砕けてしまい合体が解けた。

「あー!」

涼達は地面に叩きつけられ。

ルビティラ達も小さくなり倒れた。

「おお!何て力だ!宝石のワニよ!」

「ワニーー!」

ワニは雄叫びをあげると地面に潜り消えた。

「ち!逃げられたか、まあいい根城はわかった!引き上げだ!」

石炭の怪人はそういうと消えた。



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