女王蜂

Reira

第1話 突然の死

蒸し暑い夏の日の事


私がその日最後に覚えているのは、

子供が笑い合っている声と

血の匂いと

強烈な痛みでした。


目を覚ますと白い天井が見えていて

窓からは

夏の爽やかな風邪が流れてきていた。


横には慌てて駆け寄る夫と

今にも泣きそうな小さな見知らぬ女の子と

深刻そうな顔をした母親らしき女性が

立っていた。


私は何があったのかを理解出来ておらず、

何を最初に聞いたらいいのか悩んでいた。


夫はもう大丈夫なのか?

今看護師さんを呼ぶから。

と少し早い口調で言っている。


しばらくすると看護師と医者が病室に入ってきて

意識確認と手足に神経が通っているかを確認した後

夫に旦那様から話しますか?

と話しかけていた話しかけていた。


私は1つ思い出した事があった。


お腹の中の子供の事


私は夫に私の赤ちゃんは?

と問いかけた瞬間。


夫は深刻そうな顔をし

私に赤ちゃんは亡くなったんだよと告げた。


驚いた。


その後少しずつではあったけれど

私が買い物を済ませた後

階段を下ってる最中に走ってきた

女の子にぶつかり

転がり落ちた事。


直ぐに母親が走ってきて救急車を呼び

病院に運ばれた事。


三日間意識不明で入院した事。


転げ落ちた時お腹をうった衝撃で

病院についた頃には

赤ちゃんは胎内で亡くなっていた事。


ぶつかった女の子とその母親は

毎日謝りに来ていた事。


全てを聞いた後

私は涙が止まら無かった。


怒りと哀しみの感情が混じり

混乱していたの。

夫や子供とその母親に

怒りを泣きながら思いっきりぶつけ

自分でさえ何を言ってるか分からないくらいに


しばらくして夫に宥められ落ち着きを取り戻して


赤ちゃんが生きていた感覚を思い出し

お腹に手を当てていたの。


もしかしたらまだ生きているのではないか

そんなことを私は考えていたの。


夫は女の子と母親に今日はもう

帰るよう話していました。


2人が帰って言った後

私に対し夫はごめんと泣き始めていたの。


自分は何も出来なかった

ただ起きるのを待つことと

毎日謝罪を受け入れる事しか

出来なかっと嘆いていたの。


それから三日後

退院が決まり私と夫はその準備をしていました。


するとドアがノックされ

1人の男性が入ってきました。


男性は見た感じ40代前後の紳士のような人でした。


その男性は

初めまして僕はシアンと申します。

今日お二人の元へ訪れたのは

あの様な事があった事を知り

とある事を提案する為です。


私は突然の事で訳が分からなかったの。


取り敢えず今日は退院の準備が忙しいので、

後日また話を聞く事にしました。


退院から数日後、

家に一通の手紙が届いていて、

黒い封筒に日本では見ない海外の

赤い消印がおされていたの。


そこには8月23日17時に

貴方様の家から徒歩10分の距離にある

メルシナという喫茶店の

奥の席で待っています。

シアンより

と書かれていて

その下には喫茶店までの地図も書かれていたの。


手紙の裏に筆跡の違うものが書いてあったの。


それは

PS.これは貴方様の亡なられた、

お子様の為でもあります。


なので私は急いで夫と相談し、

怪しいけれどなんの事か知りたいからと

メルシナという喫茶店に行く事にしました。


亡くなった子供の事ってなんの事なんだろうと疑問に思いながら、

その日になるまで過ごしました。


当日·····




続く

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女王蜂 Reira @reira0817

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