文集 ホントウノコドク

出会いを探すのは神の領域

元受刑者、元路上生活者、最低でもこの２つの肩書が一致していないと、もはや言葉が通じない。

だけど……、そんな女はいない。

出会い自体、数年前を最後にやめてしまった。

もともと、同じ天涯孤独か、駆け落ちできる人以外は無理なんだけど、それ以前の問題だった。

あまりにも言葉が通じないし、メールのやりとりは５回続いたことがないし、会ったら３０分以内に必ず喧嘩になるし……。

出会った奴らは、全員が、恵まれた環境でヌクヌクと生きてきた被害妄想ゴミ女か、不幸の背比べをして意地でも勝とうとしたがる被害妄想ゴミ女だ。

親と結婚していて、そもそも出会いなんか探していない……。

ただのクソガキ……。

おまけに、非礼で失礼で非常識で、コミュニケーションという言葉を知らないゴミばかり……。

どうしようもねえ。

なんの手段もない。

３０年間、命懸けで探して１人もいないのだから、神という言葉が出てくるのは当然だ。

なんで、こんなゴミしかいないのか……。

もう、疲れ果てた。

牢屋の中にいたとき、世界観の違いを知った。

ここから出たいと願う者と、ここから出たくないと願う者との違いをね。

私は後者の方だった。

『本当の孤独』に陥れば、人間は誰もがそうなると確信している。

だけど……、それは、とてつもない少数派だ。

そんな私の世界観と交われる人間なんか、どこにもいない。

家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしで終わった１回きりの人生への無念は、言葉では表現しきれない。

手段が何一つ無いから、どうにもならない。

出会い系サイトなんて、最後の頃は、『不快な内容のプロフを掲載しないでください』と、運営が勝手に私のプロフを消す始末……。

誰かが通報したのだろう。

それに反応する運営もクズとしか言いようがない。

別に不快な内容なんて載せてない。

ただ、事実をありのままに自己紹介しているだけ……。

こっちだって家族崩壊から始まって、人生が壊れていったのだから、自分でどうにかできる話ではなかったし……。

嘘をついても意味ないし……。

さすがにここまでされると、女性第一主義がウザすぎて、最後は消費者センターに本当の通報をして辞めたけど……。

それでも、出会えればまだマシだった。

ゴミしかいなかったね。

本当にゴミしかいなかった。

この国には、被害妄想ゴミ女しかいない……。