図画工作の時間に連続殺人犯の頭部を作った私の思考回路(今、彫刻刀で削るのは、木ではなく私の身体)
あれは、小学生のとき、図画工作の時間だった。
正立方体の木を、彫刻刀を使って削り、一つの作品を作るという授業だった。
私の作った作品は、当時、名古屋で有名だった連続殺人犯、勝田清孝の頭部だった。
5段階評価のうち、2の評価を受けた。
あのときは何も思わなかったけど、あとから考えたら、私は異常なことをやっていたんだなと……、当時の担任の先生は私のことをどう思っていたのだろうかと……、まぁ、いろいろ考える。
今も昔も、小学校の授業で、殺人鬼の頭部を作る奴なんているだろうか……。
彫刻刀を見ると、どうしても何十年も前の、そのシーンが浮かぶ。
もう、あの時点で、潜在的に壊れていたことを認識するべきだった。
激痛で我に返ったとき、もう、かなりの出血をしている。
なんで、こんな事をしているのか?
自殺を図っているわけでもなく、ただ、身体を傷つけている。
吐血と身体の震えは、『孤独』が原因なんだろうって、なんとなくわかるけど……。
無意識下における自傷は、謎のまま……。
まぁ、これも『孤独』じゃなかったら、おそらく、していないのだろうけど……。
常に人生の無念が付きまとう。
家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしで終わった1回きりの人生……。
この世に会話の相手とメールの相手が1人もいない。
この30年間、仕事と拘禁施設以外で誰かと過ごしたり会話したりした時間の合計、全部足しても24時間いかない。
生涯、誰とも出会えない。
生涯、誰とも繋がれない。
私の人生は何だったのか……。
なんで彫刻刀セットがここにあるのか、よくわからないけど……。
私は自分の身体を削ってしまう。
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