原石はすでに輝きを放っている(オーディション会場にて)
モデルや舞台のオーディションを受けまくっていた頃、原石というものに出会ったことがある。
若い頃の話なので、細かいところまでは覚えていないけど……。
台本読み、カメラテスト、実技など、毎回違いはあるけど、やったことは覚えている。
印象深く覚えているのは、オーディションそのものよりも、そこに居た人たちのことだ。
何度も何度もオーディションを受けていると、みんなと初めて会ったときの印象で、合格者が誰なのかがわかってしまう。
これは実際に経験したものにしかわからないのかもしれないけど、よく言われる積極性、やる気、覚悟とかではない。
就職活動の集団面接や説明会などでも、やたらと質問を飛ばしてガツガツしている奴がいるけど、ああいう目立とう精神とは違う。
進学するときの受験会場で、みんなを見て、(こいつは合格するだろうな……)という勝手な思い込みとも違う。
ガツガツ感ではなく、外見の良い・悪いではなく、賢い・賢くないでもなく、演技の上手い・下手でもなく……、なんて言ったらいいんだろう……、雰囲気だよ、雰囲気、オーラというか……。
この人は選ばれるだろうな……と、私が感じた人は、ほぼ選ばれている。
もちろん、審査する人や、そのときの主旨によって毎回違うので、めげずに受け続けていればいつかは選ばれるのだろうけど……。
私だって、全てのオーディションで落ちたわけではないし……。
ほぼ惨敗だったけど……。
あの頃は、いちいち深く考えなかったけど、今、振り返ると、そう言えばそうだったかなぁと思える。
結局、生まれたときに全てが決まってしまうんだなぁと、今ならわかる。
あの原石たちは、持って生まれた才能(外見・性格・身体的能力・知能指数(IQ))と、親や監護者にどういう環境でどう育てられたかという他者啓発の結果、すでに勝者としてオーディション会場に来ていたということだ。
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