小鳥のさえずり
早朝、どこからともなく、その音が聞こえた。
小鳥のさえずりである。
ここは、かなりの田舎なので、そんな自然の音は、日常の1コマでしかない。
私は、常に頭の中が悩みで埋まっているので、この音に対しては、人々が感じるような心地よさは無い。
聞き慣れたから……という理由もあるが、良い人生を送っている人には、何度聞いても心地よい音なのだと思う。
私の人生経験で言うと、どうだろう?
刑務所で流れているラジオの音と、あまり変わらないかな?
私の感覚を絵で例えると『新緑に彩られた森林と、小鳥のさえずり』ではなく、『果てしなく続く重油の海と、小鳥のさえずり』って感じ……。
ヒーリングCD集には、小鳥のさえずりと小川のせせらぎは、必ずといっていいほど収録されている。
最近は、動画サイトで、たくさんのヒーリング音源がアップされている。
正直、音自体に嫌悪感は無いけど、癒されるというところまではいかない。
人生が重すぎて、心に響かない。
どこかのタイミングで、風情が消えてしまったような気がする。
この音を聞いて、心地良いなぁ……と思える人生って、どんな人生なんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。