第2話  どちらのマシンになさいますか?

小噺を一つ


俺が社会人になりたての頃の話。


その頃俺は、しがないリーマンやってたんだよ。


楽しみといえば営業回りのさぼりや帰宅中に寄る漫喫。


漫喫っていいよな。マンガ読み放題だし、風呂とか入れるし、


寝れるし、AVなんか観ちゃったりして、


あとソフトクリーム食べ放題なんてのもあったな。


人間の三大欲求、もっと言えば衣・食・住全て満たせたんだよ。


で、本題に入るけど、その日俺は疲れ果ててたんだ。


営業回りでくたくたになって帰宅中、ふと見ると近くにカエルの看板があった。


「マンガ喫茶〇〇ココ→」みたいなやつ。


東京なんかにいる人は分かると思うんだけど、都会では漫喫ってビルの2階とかに


あったりするんだよな。そこもそんな感じでビルの階段を指してたの。


これはいくしかねーなーって感じで導かれるように俺はビルの階段を登ってた。


2階に上がる階段が多くてイライラしてたんだ。疲れてたし、それでやっと着いたと


思って急いで2階の扉開けて中に入ったの。


そしたら中は薄暗くて雰囲気有って、


「やっぱ東京のマンガ喫茶はオシャレだなー」


って思ったんだけど、同時に「こんなに薄暗くてマンガ読めんのか?」


とも思いながら、とりあえず俺受付を目指したんだ。


受付には巻髪ガングロのギャルみたいなお姉さんがいて、俺は正直面くらった。


そしたらまごまごしてる俺に向かってそのお姉さんが言ったんだ。


「どちらのマシンになさいますか?」って。


……え


ってなるよね。マンガ喫茶でマシンってなんだ?だから聞き返した。


「……マ、マシンですか?ま、マンガ読むんですけど、何に使うんですか?」


「あ、マンガ喫茶3階でーす。」ってさわやかな笑顔で言われたわ。


「一番いいマシンを頼む」って言ってバッチリ日焼けして帰ってきたったわ。


嘘だけど。


3階のマンガ喫茶は普通で安心しました。ちゃんちゃん。

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