最狂舞台で共闘中

影宮

忍隊より

 我らは戦国の時代のままに生きる現代の忍。

 主を失い、武家も滅んだ今、戦の無いつまらぬ平和な世の陰で息を忍ばせております。

 時にはそこの陽の下で、人に紛れているかもしれません。

 時にはやはり月光を背に、人を見下ろしているかもしれません。

 我ら忍隊とは別に、他にも忍という者は潜んでいるでしょう。

 上司に?

 御友人に?

 まさか、家族に?

 有り得ぬ話では御座いませんよ。

 ただ、我ら忍隊はあくまでも戦国時代の忍。

 どうやら最近の、そう、現代の忍という者もおりまして、それと我らはまったく異なるということを、理解して頂きたい。

 我らは依頼人を瞬の主と致しましょう。

 そして、どんな依頼任務にも従い、果たしてみせましょう。

 勿論、お代は頂きます。

 暗殺任務、諜報任務、お望みであれば怪盗任務までも。

 金次第で、お望みのままに。

 任務を果たした後に、もし、金を払わなかったら?

 簡単な話です。

 依頼人様の体をバラしまして、臓器や部位、血までも残すことなく売り、それにより得た金を任務の給料と致します。

 当然でしょう?

 最悪、依頼人様が差し出す金よりも依頼人様自体の方が高額になりそうですが、我らはそうして生きております。

 我らを滅ぼすことを考えるというのは、時間の無駄ですよ。

 我らを滅ぼすのは人の手ではなく、時の流れ。

 もし、その刃をこの首に突き立てるというのであれば、問答無用、即刻 其奴そやつを殺させて頂きます。

 嗚呼ああ、恐れることはありません。

 綺麗に最低限の殺し方を致しますゆえ

 そうしないと、其奴が金に代わりませんからね。

 死体は金に代わるので、死体が残るというご心配はせずとも問題ありませんし、なんなら殺した対象を報酬だと申して頂いても構いません。

 しかし、死体を残せと申すのであれば、きっちり金は頂きます。

 現代の忍?

 あれは…手を組むというのはどうも気が乗らないのです。

 我らのおさと、彼らの代表りーだーは確かにやりとりは致しますし、互いの目的を害さない限りは互いに攻撃をすることもありませんが、協力は致しません。

 結果的に助けたような形になったとしても、あくまでもそれは我らの目的を果たす為。

 さて…長話をしてしまいました。

 そろそろ、長の号令がかかる頃合いでしょう。

 それでは、私はこれにて失礼致します。



 決して、我らを害さないよう、肝に銘じてくださればと思います。


 機会があるならば、その時に、また我らと話すこともありましょう。

 その時はどうぞ、宜しく御願い致します。


 我らは依頼人様の影から、いつでも参ります。


















 いざ、ご命令を叫ばれよ。

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