怪物
正義と信じていたものが正義じゃないと感じる時、人は怪物になる事がある。
歪んだ正義を身体に入れられると、これでもまた人が怪物になる事がある。
そんなことを考えながら、夜風を浴びていた頃がある。
冬に差し掛かった季節だったけど、暖かい風が自分を包んでいた。
怪物は何をするか予測がつかない。
たくさんの命を奪う事があるかもしれない。
孤独と引き換えに多くの人に恐怖を与える存在になるかもしれない。
暖かい夜風は、僕自身が怪物になる事を止めてくれた。
優しい風だった。
まだ、やれるよと言ってくれたような気がした。
人間は、浅いようで、深い。深いようで、浅い。
たくさんの怪物の子供が、近くにいる。
僕は誰かに夜風を吹かせられる人間になれるだろうか。
まだやれるよと、言ってあげられる人間になれるだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます