第5.7話

巫尹(訃音)


二人して何してるんですか。あ、私、巫尹の謎解きバージョンの訃音(ふいん)と言います。多重人格とかではないです。あくまで人見知りが自衛のために作ったキャラです。容疑者に死を告げるとかいう理由でそう名付けられした。


そんなことはさておき、撥条君を誘拐した愚か者しかいないのは残念ですが謎解きを始めましょう。


「さて――といっても赤ちゃんでもわかるような暗号なので一つずつ確認していきましょうか。撥条君のメッセージは

[あ、お父さん。僕です、撥条です。僕は今のところは大丈夫です。申し訳ないですが ふいんちゃんに夫婦漫才やって弄んだことを謝るから、早く誕プレのくれるよう伝えて貰っていいですか。地球儀買ってくれる約束していたので]

です。前半はどうでもいいので割愛しますが後半、ふいんちゃん~からが重要です。『夫婦(めおと)漫才やって弄んだ』めおとを別の漢字にすると〈娚〉になります。また、『弄んだ』はやや強引ですが〈嬲る〉という言葉に弄ぶという意味が含まれます。つまり、犯人グループは(女+男)+(男+女+男)の計五人であることが分かります。

次にといっても最後ですが『早く誕プレのくれるよう伝えて貰っていいですか。地球儀買ってくれる約束していた』の部分はGPS機能を指しています。撥条君は前に拉致られて以降発信機を常に持ち歩いていますからね。

ちゃんと身体検査して捨てなかったあなたたちのミスです。ついでに言うならGPSを受信するためのパスコードが彼の誕生日なので『誕プレ』という言葉もメッセージの一つですかね。まあ、ざっとこんなもんですか。以上Q.E.Dです」


はあ、疲れました。全く、こんな簡単な謎を解くために呼び出されるとかたまったもんじゃないですよ。ん、きりかさんどうしましたか


「訃音君、申し訳ないんだけど誘拐犯どもは私が熨してしまったから観客は私一人しかいなかったんだ。申し訳ない」


え?もうやだ。恥ずかしい。近くに穴があるから入ります。では皆様ごきげんよう。

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