偶然と必然

なんかいる。

学校帰りにスーパーに寄って買い物をしようと思い今スーパーにいるのだが変な奴がいる。

俺の目の先に居るのは完全なる不審者だ。

深くかぶった灰色のパーカー、サングラス。

黒いマスクと自らヤバイ奴を演出してるあいつ。

だが俺には見覚えがあった。

その正体は居候の夏樹だ。

俺は何も見なかった事にしてその場を立ち去ろうとすると2人の警官が店の中に入って来た。

「ちょっと、やばい……かな」

その警官達は夏樹の方をジロジロと見ている。

やめてやめてやめて!

その人怪しくないから!

見た目は怪しけど中身は普通だから!

ねぇほんとマジで!

俺は心の中で警官達に訴えるも届くはずもなく、一直線に夏樹の方へ歩いてった。

マジでヤバイぞ!

「こんな所で会うなんて奇遇だな!」

俺は何も考えず夏樹に話しかけてしまった。

「あ、あれぇー!隆太じゃない!どうしたのこんな所で!」

なんだこいつ。

こいつもこいつで変な感じ。

何これ。

今はそんな事はどうでもいい。

「近くに警官が来てる。お前を不審者だって思ってるんだ」

俺は小声で夏樹に耳打ちする。

「ちょっ顔近すぎ。ま、そうよね。やっぱりこの格好は怪しいのよ。隆太も認めなさい」

確かに第三者の視点からみると怪しい。

「じゃあさっさとこの場から立ち去るぞ」

俺は夏樹よ手を引きスーパーから出た。



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