箱~勇者の最後~
奈津
第1話(多分1話のままだけど)終わりの作成
目の前に"箱"がある。
その箱は白い。
1000x1000x1000(mm)の箱。
その箱には、何も書かれていない。
箱のある部屋は一面真っ白。
私以外、みんな白色。
私はいつもどおりその箱をじっと眺めた。
視界には徐々にAR表示が浮かび、
"箱"というオブジェクトの情報が浮かびだした。
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Name:Error(名称未設定)
Object Type:Cube
Access Level:100
Object HP:1/1
・・・(and more)
---------------------------
名のない箱、おそらくスタッフが名をつけ忘れたのだろう。
この世界線を救うために上げてきたレベルのおかげで、その箱を捉えられる。
私はもう限界を超えられない。
むしろ超えすぎたのかもしれない。
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Name:m"$a"$e&%'&8d67a5m66'&65854or%7&7a"$y!a
Object Type:body
Access Level:100
Object HP:350000/1E13
Achievement:
kill all boss
すべてのボスを倒した
(不死効果付与)
kill all animal
すべての動物を倒した
(空腹システム無効化)
kill all person
すべての人を倒した(自分を除く)
(コミュニケーションサービス無効化)
kill all object
すべての破壊可能オブジェクトを倒した
(オブジェクト創生権限付与~一度のみ~)
~~~~~~~~~~~~
レベル100
HP1E13
攻撃力1E32
防御力1E7
素早さ1E11
・・・・(and more)
~~~~~~~~~~~~
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これが示すことはたった一つ。
無になったとこで永遠にすぎるときを眺めるだけ。
簡単なことだ。
私はぼっちになったんだ。
神は、いや神も殺しちゃったんだっけ。
多分この世界線のありとあらゆるものから、
私は言われているんだ。
「お前に死ぬ権利も
蘇る権利も
何かを感じる権利も
誰かに愛される権利も
何かを作り出す権利も
話す権利も
なんにもない」
って、
なんで私は、こうなったんだろう。
誰かのせい?
自分のせい?
わかんない?わかりたくない?
何をどうすればいいんだろう?
答えってどこにあるの?
解法は?どこに捨てたんだろう。
私が作り出した"箱”は、なんで名前がないんだろう。
結局私は何がしたかったんだろう?
私は、箱に手を触れた。
自分で作り出した、その箱に、
HPが1の箱は、すぐに消えてしまった。
でも,,,,,,,,
私は、箱に手を触れた、
触れると、たくさんのAR表示が浮かんできた、
スライドショーのようにスナップショットされた画像とAR表示が目の前を流れていく。
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「ここに貴殿が世界を救う勇者となったことを宣言する」
王様は得意げな顔で宣言したんだっけ、私が勇者になったことを、、、
私の親戚はすべて魔王によって殺された、だから勇者になれたのだと
そして
剣士と魔法使いと僧侶が仲間になったんだ。
魔王と言うオブジェクトは、5つの中ボスオブジェクトを倒す必要があった。
でも、4つ目で、僧侶が死んだ。
死んだ理由はすぐにわかった。
「剣士に殺された」
ただそれだけだった。
でも、剣士は咎められることはなかった。
僧侶と剣士の地位では、僧侶の彼女は、絶対的に下の身分だったから。
ただそんだけ。
王様に剣士を私のパーティーから外すようにいったけど、
支援金の打ち切りと、証拠がないことを理由に、
拒否られた。
5つ目で、
魔法使いが死んだ。
理由は、
[剣士を守るため]
魔法使いの彼女は、
剣士を守るために、自分のすべてのHPを犠牲に5つ目のオブジェクトを瀕死にした。
彼女の体はなかった。
でも、剣士は、何事もなかったのように5つ目を倒した。
ここなのかもしれない。
剣士、いや、ただのゴミに、
強烈な殺意を覚えたのは。
魔王を倒した、、、、
でも私には、彼が害だとは思えなかった。
戦闘前、魔王は私にこんな話をした。
「君たちは私を倒しに来たことは知っている。
もちろん倒してもらっても構わないが、
少しだけ、私の話を聞いてほしい。
信じられないと思うが、
私は、この世界に存在する、
すべての敵対オブジェクトを生み出しているわけではない。
私が生み出せるのは、5つの中ボスオブジェクトと、この後使う予定の、ザコ敵のみだ。
他の敵はどうして発生するのかって、簡単なことだ、
君たちの一部の人間オブジェクトが人為的に生み出しているだけだ。
そして、それらが起こるたびに、寄付金を募って、荒稼ぎしている。
たったそんだけ、、、、、、、、、、、、」
ここで、剣士によって首をはねられて死んだ。
「害悪が戯言を吐くな」
と言って。
私は、嫌気がさした、同時に、
「なんで今まで、戦ってきたんだろう?
何と戦ってきたんだろう?」
心の中でそう思うと、どこからか声が聞こえてきた。
「知りたいのなら、目の前の剣士を殺せ」
と、
私は迷わず、剣士の首をはねた。
レベルが100になり、今までアクセスできなかった領域に侵入した。
私はその声の「眼の前のやつを消せ」に、
疑問を持たず、殺し続けた。
アクセスレベル100の情報を元にすべての、敵を倒し、
害を生み出す、人間オブジェクトをすべて殺し、
もう一度すべての生物が人間オブジェクトのようなことをしないようにするために殺し、
神が人間を産まないように、生んでも生存できないよう、
神と、破壊可能オブジェクトをすべて破壊した。
そして無になって気づいた、
”害悪なのは私なのだと”
でも、消え失せることはできなかった。
毎日話しかけてくる声がうざくなって、コミュニケーションを無効にした。
でも、それはシステムに要求する権限すら損なわせた。
私は最後にある術式を書いた。
指で無になった地面に、
"delete all system"
そして最初の箱ができた。
名のない箱。
無に返すための箱。
本当は理解している。
AR表示には、
「この世からすべてを抹消しますか?
touch this box」
私は迷ったけど、押した
==========================================
スライドショーは流れ、
私の記憶は薄れていった、
邪魔がなくなり、
私の最後に見たものは,,,,,,,,,,
紛れのない、
オブジェクトでもない。
家族の"愛"だった。
箱~勇者の最後~ 奈津 @ufo0403
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