第5話 エルマー博士の客人
※ エルマー博士の客人
「デリア君じゃないか、久しぶりだね」
頭の上を良く知った声が通り抜けた、振り返るとエルマーが階段を降りてくる、
「3ヶ月ぶりですわねエルマー先生!!」
「怪しい女性が家を監視していると聞いて、もしかしたら君かと思ったよ」
「おーいルル、デリア君を一階の応接間に案内してくれ」
「よろしいのですか?」
「かまわないデリアは大丈夫だ」
ルルが隠れていた二階の廊下の奥から現れた。
「ご主人様、お客様がいらっしゃるのでしたら私にお伝えください、お客様に失礼でございます」
「ルルごめんわすれていた・・そうだイサベラ、ブリジットも連れてきてくれ」
えっ、あのポンコツを連れてくるの?心の声で抗議したが、おとなしくブリジットを呼ぶために階段を登り初めた。
「イサベラ、君にも参加してほしい」
私は驚いて足を止めた、そして嬉しくなった、だって今まで助手らしい事してこなかったしね。
「ええ、わかったわ!!」
そしてデリアをふり返ると、こちらを驚いた様に凝視したまま固まっている、私も驚いたが、階段を降りてくるルルを凝視している事にすぐ気がついた。
「この娘が貴方の自動人形なのね!?」
やはり彼女も衝撃を受けているようだ。
私もルル達を初めて見た時は本当に驚いた、そして自我がある事がわかった時は恐怖を感じたわね。
「はじめましてルル・・話は聞いていたけど、それでも驚いたわ」
「はじめましてデリア様、私はご主人様の忠実なるメイドのルルでございます」
ルルは丁寧にお辞儀をする。
「会話ができるのね、話は聞いていたけど・・あなた私が見えているのね?人間らしい目の動きが再現されているわね、凄いわ、生きているみたい!!」
デリアから先ほどの妖しい雰囲気が消え、純粋な好奇心に満ちあふれた研究者の顔になった。
「デリア様こちらへどうぞ」
ルルはかまわずデリアの鞄をエントランスに接した応接間に運びこんでいく。
デリアは思い出したように私を振り返った、
「エルマーが決めたのなら貴女にも参加をお願いするわ」
デリアは微笑んだ。
私はブリジットを呼ぶために急いで二階の寝室に向かって駆け上がった。
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