幼馴染と匂いフェチ
スーさん
プロローグ
禁断症状
※この話だけ一話完結の為、文字数多めです
佐藤翔太と篠崎カノンは幼馴染だ。
家が隣な為に小中と同じ学校に通い、高校も同じK高校に入学した。
ちなみにクラスも同じC組だ。
今日二人は日直だった為に、奉仕として化学担当の泉澤先生に授業で使う道具を化学実験室に用意するように言われていた。
しかし並べている際に翔太の不注意でカノンが並べていたビーカーを落として割ってしまい、罰として放課後に汚れの目立つ女子バスケ部が使用している部室の掃除を二人でする羽目になった。
そして今現在掃除中である翔太が愚痴をこぼし始める。
「はぁ……なんでこんな目に」
「翔太が気怠げにやるからでしょ」
「仕方ないだろ、クラスの奴らより早く用意とかめんどくせぇし」
「結局先生に怒られて、さらに雑務を連帯責任でやらされてるこっちの身にもなってよね」
二人は絶賛部活中の女子バスケ部の掃除を二手に分かれておこなっていた。
定期的に清掃員が掃除しているようだが、それでも塵埃はあるので高い位置は翔太が、低い位置はカノンが担当している。
「あれはカノンの置く位置が悪かった」
「私のせい?翔太が肘を当てて落としたのが悪いんじゃん」
授業開始前に道具を化学実験室に並べるとき二人は互いに端から始めた。
二人のクラスは全員で二五人で、部屋には五人掛けの机がちょうど六個あり、端から並べていくと互いに三個目の机で終わりになる。
最後のひとつを翔太が置く時に、カノンが置いたビーカーに翔太の肘が当たった。
ビーカーは地面に激突し見事に砕け散ったのであった。
「手が当たるようなところに置いたのが悪い」
「きちんと確認すれば良かっただけじゃん」
「そんなの結果論だろ!」
「でも事実じゃん!」
言い争いは激しさを増して、掃除の手は完全に止まっていた。
本当は自分が悪いと分かっている翔太だが、素直になれずに謝罪のタイミングを完全に逃していた。
「もういいよ、とりあえず上はここのロッカーで最後だからそこの雑巾取ってくれ」
「そうやって最初から素直なればいいのに」
最後の一言にまたも怒りが少し込み上げた翔太だが、気持ちを切り替え雑巾を受け取ろうとする。
しかしうまく取れなかった翔太の手から滑り、彼女の元に落ちた。
「ちょっと、ちゃんと取りなさいよ!」
「すまん、手が滑った」
「はぁ……早く終わらせて帰りたいんだけど」
「直ぐに済ますか……ら」
「何?あたしになんかついて……って!」
着地したその先はカノンの綺麗な曲線を描いた膨よかな胸だった。
その所為でシャツが濡れ、可愛らしいピンクの花柄がプリントがされている下着が露わになる。
「信じられない! 狙ってやったの!?」
「いや、ワザとじゃなく不可抗力だ!」
言い争っていると外からバスケ部がこっち向かってきていてる声がする
どうやら戻ってきたようだ。
下着が透けているカノンを見られたら面倒なことになりかねないと思い、翔太はどこかに隠れなければと考える。
「くそっ! とりあえずここに!」
「えっ! ちょっと!?」
掃除そっちのけで翔太は力を入れれば折れてしまいそうなカノンの細い腕を引き、近くのロッカーに二人で入った。
「やっと終わった、まじ今野先生ハード過ぎるわ」
「大会が近いからって最近はかなり気合入ってるよね」
女子二人は部室に入り、部活の顧問の愚痴をこぼしながら着替え始めた。
その頃二人は狭い空間にカノンを奥に入れて翔太自身で蓋をした状態だったが、緊急事態だった為に強引にロッカー入った所為で体勢がまずい。
部室のロッカーは人二人が入るには少しきつめで、そんなところに無理やり入り扉しめているのだから互いの身体は密着状態で、吐息もかかる距離なのだ。
カノンからする甘い匂いが脳を刺激して興奮が始まっている。
「「……」」
ロッカーの中は真っ暗だが、お互いの顔が赤いことが見なくてもわかる。
とにかくこの状況をどうしようか悩んでいると、先程から少しモジモジしているカノンに気がついた。
「?」
どうしたのかと思いつつも、体勢がきついので少し足をずらした瞬間。
「んあっ……」
「!?」
外のバスケ部二人には聞こえない程であったが艶かしい声をカノンが発した。
今まで聞いた事がないカノンの声にさらに興奮し、目を下に逸らす。
下を見ると翔太の方足はカノンの太もものに挟まれており、それが擦れたことで起きた現象だと理解した。
「なんて声だしてんだ!」
「翔太が変に動くからでしょ!」
小声でやり取りをしていると自分たちの隣のロッカーが開く音がする。
「やばい!」
「ちょっ!」
翔太は外の二人にバレぬよう彼女の口を塞ぎ、今まで以上に密着した。
片腕の肘を曲げ、カノンの顔の横に壁ドンのような形で後ろの壁に腕をつく。
密着度が最大に達している為にお互いのあらゆる所が重なり、カノンからする女の子特有の匂いが脳を麻痺させる。
翔太の胸板がカノンの大きめの胸を押し付けると胸の形が簡単に変わった。
その柔らかさを自身の身体で感じとった翔太の意識はそれに向かう。
そのせいで翔太の心臓は激しくポンプして、心拍音が外に聞こえているのではとドキドキしていた。
(いまここを開けられたら俺の高校生活は終わる…なんとしてもここを切り抜けるしかない!)
(し、翔太の匂いがこんなに近くに……やばい、禁断症状が!)
そして再び横のロッカーが閉まる音がした。どうやら着替え終わったようだ
(よかった、後は出て行ってくれれば……)
しかし外の二人は部室真ん中にある大人数で座れる椅子に腰掛け、スマホの無料動画アプリで人気動画を見始めた。
(早く出ていけ! そんなもん家でみろ!)
やっとこの状況から解放されると思っていた翔太だが、まさかの滞在で怒りが込み上げる
さらに季節は六月と梅雨の時期で湿気があり、ロッカー内の温度はかなり上昇していた。
長いこと入っていたせいで少し呼吸が苦しく感じるほどに酸素濃度が低い状態な中、先程から黙りこくっていたカノンが鼻息が荒くなっていた。
(無理もないな、こんな中じゃ息苦しくも……ん?)
カノンを抑えていた手を離し確認すると、確かにカノンの呼吸は乱れている。
しかし正確にはそれは酸素を吸収する呼吸と呼ぶより、匂いを吸引する嗅ぐ行為の方が近い。
おそらく俺の匂いを嗅いでいるのだろう。そういえばカノンは特定の匂いを嗅ぐと酔っ払いの様になる事を思い出す
(まさかこいつ……あの時の癖が今?)
匂いを嗅いでいるカノンの顔は赤く、口元は歪んでいた。
(久しぶりに嗅ぐ翔太の匂い……しかもこの距離で! やばいこれ、脳が痺れる……。やっぱりこの匂いは私をだめにする、でも……ずっと嗅いでいたい! あぁ翔太ぁ……)
そしてトリップしたカノンは両腕を翔太の首に回し、足を絡めてゆっくりと顔を翔太の唇に近づけ始めた。
「カノン? お、おい」
突然のことに驚き、ゆっくりと近づくカノンを説得しようとするが本人には聞こえていない。どうやら遂に禁断症状が出てしまったようで、翔太は片手でカノンの柔い頬を捉えて止める
「しっかりしろ! お前が重度の匂いフェチなのは知ってたけど、今は冷静になれ!」
「ん〜! ぺろっ」
「うおっ!」
頬をつかんでいた手を舐め、翔太が手を離した隙にカノンは翔太の耳朶に甘噛みした。
「かぷっ」
「!?」
「ちゅぱちゅぱ」
耳朶を吸い甘えてくるカノン。
翔太を誘惑し、快楽を貪らせるよと身を寄せる姿は淫魔のようだった。
カノンに引っ付かれ、甘えられ、欲情させられる。この時点で翔太の欲望は爆発寸前に追い込まれる。
翔太は自分の理性を失わぬよう外のことに全力で気をそらす。
(こんなところを見られたら、俺の高校生活が一年も経たずに墓所送りだ! 目の前のことに流されるな!)
煩悩をなんとか断ち切ろうと試みる翔太に遂にカノンは翔太の社会の窓に手をかけた。
(それはマズイ!)
慌てて抑えて反抗するもとろけた顔のカノンの力は弱まらない。このままでは高校生活はおろか、今この場でカノンに食われてしまう。
既にジッパーは降ろされ、後布一枚で息子が見えてしまう状態になる。
なんとしても阻止しようと考えたが、もはやあの切り札を使うほかなかった。
(これを使えばおそらくカノンは静まるだろう……けど、後で絶対に後悔することに。いやもうどうにでもなれ!)
覚悟を決め、翔太は彼女の耳に囁いた。
「カノン、今日から毎日俺の匂いを嗅いでいいぞ」
「!」
「いつでも好きなだけだ!!」
「!?」
どうやら効果覿面の模様でカノンの動きがピタッと静止した。貞操も守れて胸をなでおろしていると突然プルプルとカノン震えだす。
今度はカノンによるおつゆが下腹部から排出され、丁度挟まれている翔太の太ももを生温かい液体がじんわりと濡らしていった。
「おぉふ……」
放出を終えると、支えを求めるようにカノンの身体は翔太に身を委ねた。今もなお痙攣している。
「そろそろ帰ろっか〜」「そうだね〜」
どうやら動画を見終わったバスケ部の二名は部室を出て行ったので、全体重を預けてきているカノンを抱いてロッカーの外へと足を出す。
「や、やっと出れた……」
未だ意識が戻らない彼女をイスに横にして、自分のズボンを絞り覚醒を待つ。
「ん……んん?」
しばらくするとカノンが意識を取り戻した。
「気がついたか?」
「翔太?」
目をこするカノンに声をかけた瞬間、カノンが抱きつく。
「なっ!」
「翔太、さっき言ったこと嘘じゃないよね?」
「あ、あれは仕方なく……」
「男に二言はないよね?」
「……」
先ほどの言葉が嬉しいのかとても上機嫌なカノンは翔太を
「それで、どうなの? 嘘なの? lieなの?」
「……勝手にしろ」
そういった直後、カノンは顔を俺の胸に埋めて嗅いできた。
蒸し暑かったロッカーに居た為に、少し汗をかいているから離れるように伝えるが「この匂いがいいんだよぉ〜うへへっ」といい、なかなか離れない。
こんな事になるなら言わなければよかったと思うがが、不思議と悪い気はしないのが本音であった。
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