すべては助手の手の内で! 見かけ倒し系名探偵、ここに誕生!

歌ヶ江トキヲは堂々たる体躯と美貌を持つ、しかしコンプレックスまみれで鬱々とした青年。しかし、ある事件の容疑者として警察に目をつけられてしまう。それを救ったのは、中学生にしか見えない自称20歳の春日原六助だった。彼の濃やかな入れ知恵で“探偵”を演じた彼は、六助を“助手”とすることとなる。

本当にもう「見かけ倒し」なトキヲさんが超優秀な「童顔」の六助くんに操縦され、名探偵を演じる。個々のキャラ立ち自体もちゃんと見どころになっているんですけど、この関係性の作りかたが実にすばらしい!

ミステリーは謎解きが胆になるわけですが、トキヲさんの風貌はその言葉に説得力を与えていますし、実際のところを知る読者には普通の作品にはありえないおもしろみを味わわせてくれてます。

ネタとキャラが噛み合って醸し出された絶妙。ミステリー方面からもキャラ方面からも楽しめる一作です!

(ちょうどいい中編4選/文=髙橋 剛)