#4 アリス

「...君こそ誰だよ。こんなとこで何してんの」


俺が問いかけると少女は口を開いた。


「私はアリス・デバルド。強い魔物の気配があったのでここに来た。貴様は誰だ」

「俺は秋間 彩雲。勇者だ。君...アリスは勇者なのか?」

「私は15歳だ。職業につける年ではない」


説明しよう。この世界では様々な職業があるが、特別な事情がない限り17歳からでしか職業に就くことはできない。彩雲も今年やっと17歳になり試験を受けることができたのだ。


「あ、そう。このドラゴンの死体は君がやったの?」

「あぁ、強い魔物の気配がしたといっただろう」

「んー、こういうのはさ、勇者とかの仕事だから。それに危険だし」

「貴様がこのドラゴンを倒せるほどの腕を持っているとは思えないが」


...はぁ?


これが彩雲と不思議な少女ーアリス・デバルドの最初の出会いだった。

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