おまけ2 人の間の種族と書いて、人間 & 愛猫のタマさん

ギャグ度 それなり

カット理由 別に必要ないかと思って……


 ◆ ◆ ◆


≪愛猫のタマさん≫


「そういえば、『まほろば』、猫居るよね」


 とある時代のとある場所、路地裏を駆ける猫を見送りながら、茶島はタマモちんに言った。

 タマモちんは答える。


「はい。猫のタマさんですね」

「タマ……すごい普通な名前だな」


 ふと、茶島は疑問に思ったことを聞いてみることにした。


「そういえば、この異世界ファンタジアって、人猫じんびょうもいるよね。ペットで猫って、ありなの?」

「あー、茶島さんの世界では……猿は居なかったんですか?」


 言われてみれば、チンパンジーと人間の遺伝子の差は数パーセントだと聞いたことがある気がする、と茶島は思い出していた。


「つまり、動物としての猫と、人猫は別、でいいのかな?」

「そうですね。あと、それくれぐれも人猫さんに直接言ってはいけませんよ」

「あ、うん。言わない言わない」


 流石に、人間に対して「この猿め!」と言ったら侮辱になるのと同じ感覚なのかもしれない。


「その昔、多種多様な人種が居たそうで、人間とは『人と人の間の種族』という意味なのだとかで、多様な人種が交配した結果人間という種族が出来たという説もあります。

 あるいは、人間をベースに他の動物の特徴を混ぜれる『なんでも入れられる間の空いた種族』という説がありますね」

「へぇー。なんか、タマモちんって眼鏡かけてるし、そういうことを言ってると頭良いキャラに見えてくるよね」

「ふふんっ、タマモはいつでも頭が良いのですよ」


 タマモちんが鼻息荒く眼鏡を右手の中指で、ブリッジ部分を押し上げる。

 なかなか茶島の発言が失礼な気がするが、タマモちんは気づいていないようである。所詮はそんなもんである。


「ちなみに、タマさんも頭が良いです。なにせ飼い主……親がタマモですので」

「それは多分飼い主が関係ないんじゃないかな」

「そんなことありません。この間二本足で立ってましたし」

「え?」


「その前は前足で水をすくって飲んでましたし」

「う、うん」


「そういえば、ムーンウォークをしていた時も」

「ええ!?」


「……あるといいですね」

「ないのかよ!! 信じかけたよ!!」





 ちなみに……


「タマさんは中東で拾った御猫様です。雄猫ですので、中東風の名前の付け方にちなんで、親の名前の後にその子の名前、でフルネームとしています」

「お? おう……」


「すなわち、タマさんのフルネームは、タマモちんタm

「やめろ!! そこまでだ!!」



 了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る