魔女と過ごす学園生活
SHIN
第1話魔女の告白
単刀直入に言おう、僕、中村ミオリは魔女だ。
この僕という一人称は、幼くして20世紀の推理小説を好んで読んでいた為、物心つく頃に
自分の事を僕という様になっていた。
が、中学生にもなった頃、僕なんて言うと痛々しいので
僕はなんとか人前では私と一人称を直したのである。
左利きが右利きにした様な気分だ。
勿論魔女だから、女である、花のJK2である、女子高校生の二年生である。
しかし、そこらのアニメコミックや漫画や小説の様に、火の魔法を使える、回復の魔法が使える
訳でも無い、軽く呪術などが使えるがいかんせんコストパフォーマンスが悪い。
この現代で毒のヤモリやコウモリの羽、山羊の首などそう簡単に用意できる訳が無いし
呪術、マインドコントロールして交通事故などに合わせるなどができるが、余り後味が良くない。
その他にも色んな呪術がある。
僕の家系とはまた別に家系では完璧な生贄や媒体の流通路を確保し
何千万円から何億円という値段で殺人の仕事を受け持つ家系があるが
僕の家はそうでもない、平和的だ、両親は普通の仕事をしている。
魔女の血の流れは置いといて
僕にできるのは軽く心を読む事、本当に軽くだ
心を読む本人がよほど心の中で大声で叫んでない限り分からない。
人よりも感覚が良いこと、これは前述の人の声が聞こえるにも繋がる
余りの感覚の良さ、シックスセンス的な物が、感情や心を読み取ってしまうのだろう。
魔の者は人よりも頭脳が明晰な事、それでも僕はこの進学校に入るのに
苦労したが。
魔の者と言ったが、当然吸血鬼なども居る、僕らは政府に
認知され絶滅危惧種だから割と優遇されてる面もある。
そして何か霊体や、念のこもった物に触れると、それを感じ取れる事
高校一年生になってまもない頃近くで殺人事件が起きた
偶然その場所を通学路にしていた僕は、殺された女性の霊体に
つきまとわされ、結局犯人を突き止めて、犯人と対峙するはめ
になりとんでもない事になった。
身体能力も少し秀でてる、が、なんとか逃げ切った、闘う?
合気道か何かを駆使して?
そんな事はとんでもない、相手は大の男で刃物を持っている
逃げ切れたのも、僕が陸上部に所属していた事もあってだ。
相手は車に乗り換えてきて、僕は携帯から警察に電話するも信用して
貰えず、辛うじて家に帰って同じ魔の血を継ぐ両親に説明して
それからは両親がなんとかしてくれた、結局親頼みだ。
最後に満月を迎えると胸が心無しか膨らみ、唇の血色は
良くなり、目にほのかな紅を宿し、頬も赤くなり
とても官能的な気分になり発情してしまう。
霊力も強くなる。
なんとかして必死に抑えているが、何をしているかは
聞かないでほしい。
両親が盛り始めるなか、私は部屋に籠もって必死にこらえている
こんな中外に出たらもう、人前に出られない位の痴女っぷりを発揮してしまう。
逆に新月は体が重くなり、なんの霊感も働かない
まさにお月さんだ。
勿論まだ処女である、満月の日以外は肉体的な情念よりも
私は常に理性を優先する、僕の平均よりもいくらか上の脳味噌も
あまり無駄に花びらを散らさなないで、たった一人の伴侶のために綺麗なまま
でいろ、と私の体を支配する、その反動か満月の日は本当にしんどい。
都内にある私立の高校、桜ヶ丘高校。
通称 桜高
おうこう
無難な人間関係を築き、私は少しの趣味と運動、ちょっぴりの夢想があれば
それを養分にして生きていける。
授業が終わり、放課後になった、女子の一人に話しかけられる。
「ミオリ、今度昼休み話した通り遊びに行こーねっ!今晩LINEするっ!」
「うんー!、全然いいよー!私も前からそろそろ新しい服買わなきゃって思ってたし」
僕はそう返事をした
放課後の教室残って、恋愛の話に興じる女子、その様子を下らない話をしながら
伺う男子、ゲームの話をする地味な生徒、部活に急ぐ生徒、僕もその一人
僕は更衣室で部活着に着替え部活に行こうとする、そして騒がしい玄関に着いた。
「ミオリ、話があるんだけど」
ミオリのルーティンがぶち壊された、玄関がざわつく
薄い線の美少年に呼び止められる、彼は小林空
女の子みたいな容姿と女の子みたいな名前をしている。
女子からの人気は絶大、それを気にしない態度も女子の妄想をそそる
同性愛では無いのかと、そんな噂で女子達の話題の的だ。
ちなみに彼は同性愛では無い、何故それを知り得たのかは後述する。
その容姿を本人は気にしているのか一人称を俺、と強めのトーンで言っている
「......場所変えようか」
僕は空と一緒に体育館の裏に行く、良くここで
告白されたり、カップル達がいやらしい事をしていると聞く。
ここしか場所が無いのだ、決して僕達がそんな事をする訳が無い
幸い今日は人がいない、そんな毎日盛るほど暇な位課題を出さない学校じゃない。
「で、ミオリは手伝ってくれないの?」
「......何回も言うけど僕は嫌だ」
空の提案を僕は断る
連続しているこの街で起きている女性の失踪事件の件の事か
僕の知った事じゃない。
「その魔女の力で、犯人を捕まえて欲しいんだ」
僕は慌てて、空の口を塞ぐ。
「誰もいなくてもそんな事を言うなっ!」
何故この男は僕の正体を知っているのか?
それは少し前に空が執拗なストーカーをされていていた
空は全くストーカーされていると思っていなかったが。
何故なら犯人は同級生の男友達だから
心の中で大声で空の名前と妄想を口に出すから嫌でも耳に入る
そんなある日。
「無理やり空を犯そう、今日の夜
同性の強姦はなにかと調べたら罪になりにくい
悪ふざけと言ってもいいし空を脅してもいい
捕まっても一年位少年院に入るだけだ」
......この変態野郎
それを聞いた僕は困っていた、空に言いに行くか?
だとしたら僕の正体が疑われる、そしてまず信じて貰えない
追跡して現行犯でなんとかするか?
いずれにしろ今日は満月の夜、私の目は真紅に染まる
そして体が疼く。
でも空は大切な幼馴染だ、放って置けない。
満月がおぼろげに見える夕方、僕は男の後を追った
美術部の帰り、空は帰路に着く、シャッター街に着いた
そして人気の無い路地裏に空の腕を掴んで連れ込む。
空が危険な匂いに気付く
その時僕は持っていたスタンガンを男にかける。
このスタンガンは前に殺人事件に巻き込まれていた時に
用心して買っていた物だ、実際に現場の狂気に包まれると
使う間も無かったが。
顔はマスクとサングラスで隠している、よし
このまま全速力で逃げよう、空の方に目をやる
危機一髪だったみたいだ、空の胸肌がはだけている。
「ーーーンッ!!」
「ーーーちゅる、ちゅるっーちゅーっれろれろ、......ぷっ
......はぁはぁ......」
.....気付くと眼鏡もマスクも取り、月明かりの下
夢中になって空に抱きつき、空の舌に自分の舌を絡ませていた。
ちろちろと舌の先で舌の先をなぞる
、ちゅうっと首に強くキスをする、上目遣いで空の目を見ると僕の真っ赤な目を
空は見つめている。
ハッ!と少しの理性、それを取り戻した僕は家まで駆けた。
翌日だ、問い詰められて何もかも喋ったのは。
その時もここに呼び出された。
「......昨日俺の事助けたのってミオリでしょ」
ただ空は誰かにいいふらしたりとかそういう事をする
人間ではない......が。
こう今まさに僕の能力にすがっている、なんだろうか
こっちは恥ずかしくて空の事、あの時からまともに見れていない。
「......何回も言うけど、その事件に僕は関与できないよ」
空は少し黙った後に深刻な顔をしてミオリに言う。
「姉さんが三日前から行方不明なんだ」
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