私と妹と、妹と妹。
全人類の敵
妹
「うぅ……息がぁ」
意識が朦朧とした中、私はひどく熱く、そして呼吸も許されない状況へと陥っていた。
寝起きで目が開けにくいけど、そうも言ってられない。
現在の私は何者かによって体全身をきつく縛られて、身動きが全く取れないといった状態だ。
口の中にはティッシュが詰め込まれているかのように、言葉を発することすら出来ない。
そこで私は、先程からずっと体にのしかかっているこの存在を退けるべくして、体を左右に揺さぶっていた。
巻き付いた蛇を振り払うように……。
そして遂に――
「っぷは…………もう、朝から苦しいわね……いったい何?」
「うふっ、こと姉ちゃんったら……そんなに焦っちゃって!」
あまつさえ私の唇までべとべとに濡らして、最近体重が少し気になっているというのに馬乗りで、自身の指をぺろぺろと舐めているこの少女。
…………残念なことに、私の妹だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます