高砂国の地名命名と石炭と諸々
高砂国の川俣十郎から、北部の凱達格蘭(ケタガラン)族の湊一帯を占領したとの報告が届いた。
山田式部少輔は、引き続き奥地の凱達格蘭族を攻略しているらしい。
山田式部少輔が書いた報告書によると、21世紀の基隆港と和平島の辺りを占領下に置いたと書いてある。
占領地の名称が決まっていないので、決めて欲しいとの要望が書いてあった。
基隆は元々、凱達格蘭(ケタガラン)族が訛って、ケーランと呼ばれたことから、「鶏籠」と言う当て字で名付けられた。
しかし、後に清朝が、ケーランと近い音で「基地昇隆」の意味を込め、「鶏籠」から「基隆(キールン)」に改名している。
21世紀では、台湾語で「鶏籠」と呼ばれているので「鶏籠」で良いだろう。
和平島は、改名前の「社寮島」で良いか。社寮島は、スペイン統治時代にサン・サルバドル城が築かれ、原住民や漢民族の町が形成されていたらしい。
噶瑪蘭湊も噶瑪蘭族が住む平原地帯から外れているし、小さいが神明社が建ったと言うことで「神明湊」に改名しよう。
わしは、高砂国の支配地に新たに「鶏籠」、「社寮島」、「神明湊」と名付けたのであった。
山田式部少輔の報告書とともに、石炭が詰まった木箱が何箱か送られてきている。
石炭は蒸し焼きにして、コークスにしたいのだが、蒸し焼きにするにしても、理屈や炉の何となくの構造は分かっているが、細かく指示できる訳ではない。
耐火煉瓦で石炭を囲う炉を作り、空気が入らない様にしながら、1000℃以上の高熱で蒸し焼きにすれば良いのだろうが、イマイチ分からない。
御倉衆と鍛治師たちに石炭と理屈を教え、試行錯誤しながら炉を作ってもらうしか無いな。
蒸し焼きにした際の煙は有毒であるので注意させねばなるまい。
しかし、タール、軽油、硫酸などの副産物が出来るので、何とか取り出したいものだ。
煙突などの構造を工夫してもらい、回収出来るようにしてもらおう。
南蛮からの交易品も届き、新しい作物の種が手に入った。
空豆の種、玉ねぎ、オリーブの苗などが届いた様だ。
もうすぐで春なので、志摩の試験場で種を蒔かせることにしよう。
オリーブの苗は、志摩ですぐに植えられたそうだ。
これらが育てば、食生活もより豊かになるな。
南蛮から持ち帰った山羊も番が増え、最初の番は子山羊を産んだらしい。
血が濃くなりすぎない様に、何れは高砂国の山羊と交換しないといけないだろう。
志摩での数が増えたら、兼山にも連れて来させるつもりだ。
関東の奴隷の調達についてだが、馬路正統に関東の商人たちを回ってもらっているものの、北條以外の大名と繋がりを持っていた方が良いだろうと言うことで、馬路宮内を派遣することにした。
小弓公方の足利義明、真里谷武田家、里見義豊など東京湾に面する領地を持つ大名に外交使節を送る。
当家の力を高め、豊かな生活を送るためにも、領地拡大、交易、外交に励まねばなるまいな。
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