クエスト10:闇の力について仲間と語らえ
「…………」
手にした物体を、フラムが滅茶苦茶に凝視している。
牛肉を卵とパン粉の衣に包み、油で揚げたトンカツ。瑞々しい千切りキャベツ。それらを濃厚なソースと一緒に具として挟んだパン――要はカツサンドだ。
カツサンドを目線の高さに掲げたまま、マジマジと見つめ続けるフラム。
朝食のときもそうだったんだがこいつ、食べ物を見る目がなんかヤバイ。ヤバイっつーか目力が凄い。例えるなら、古代文明の遺跡で手つかずの新しい壁画なんかを発見したときのニボシくらい、目が爛々と輝いている。
「あの、なにかお気に召さなかったでしょうか?」
「べ、別になんでもないわよ! ビビッてなんかいないんだからね!?」
アスティにそう怒鳴り返すと、フラムは意を決したようにカツサンドへかぶりつく。
パク。モグモグモグモグモグモグモグモグ。ゴクン。
…………ブワアアアアアアアアッ。
そんな擬音が聞こえてくる感じで、フラムの周りにお花が散りばめられる。
すっかりお気に召したらしく、二口三口と勢いづいて食は進んだ。
うーん、朝食のときにも見た光景だ。なんつーか、まるで食事という行為自体が初体験みたいな反応なんだよな。挑発的、あるいは威嚇的な印象の笑顔ばかり浮かべているのに、今は酷く幼い笑顔になっているし。
また一つ、フラムについてよくわからない点が増えたな。
まあ、ガリウスたちのことだって、そこまで多く知っているわけじゃないんだが。
俺だって話してないことはたくさんあるし、ニボシも言ってたように秘密があるのはお互いさまなのだ。
「しっかし美味いなあ! ギルドの食堂で働いてただけはあるってわけか!」
「いえ。私は接客が仕事でしたので、食堂の料理に比べれば全然。元々、野営などで自炊していた程度で料理は不慣れですし」
「いやあ、もっと自信持っていいと思うぞ? 昨日、賄いのおすそ分けでもらったビーフシチューも美味かったよ」
「そう、ですか。それは良かったです」
「お、おお……」
アスティの微笑み。効果は抜群だ! なんて。
フワッと綻ぶような笑顔を向けられ、ちょっとドギマギしてしまう。
現在、地下三〇階層。俺たちがいるのは、なぜか五階層ごとに用意されているセーフゾーンだ。結界によりここではマモノが発生しないし、近寄らない。
時刻も昼食の頃合い。一旦ここで休憩を取ることにした俺たちは、アスティがバスケット一杯のサンドイッチを振る舞ってくれたので、有難くご相伴に預かっていた。
「でも、よくサンドイッチの用意なんてあったよな。これ、食堂のメニューってわけでもないだろ? どこか、遠出する用事でもあったのか?」
「いえ、その、これはタスクに、お弁当でも如何ですか、と思いまして」
「俺に? 普段ここに潜るときは携帯食料で済ませちまうことも多いし、それは正直言って助かるけど。ギルドの食堂にそんなサービスなかったよな?」
「はい。ですから、これは私の個人的な差し入れということで」
「ほほーう? まず胃袋を掴もうとは、恋愛に興味なんてありませんみたいな顔して、ベッタベタな手段を使ってきたナ」
「なんのことでしょうか。私はただ、日頃単独で修練に励む彼を労おうとですね」
ニヤニヤ笑うニボシと、済まし顔で動じないアスティ。
ええと、これはどっちの言葉を鵜呑みにするべきなんでしょうかねえ……。
言葉の裏を読み解くようなスキルは持ち合わせてないから、反応に困ってしまう。ここで変に浮かれて、『いえ、たかが差し入れ程度で勘違いされても迷惑なのですが』とか言われた日には俺の繊細な男心が死ぬ。
俺の精神衛生のためにもと、とりあえずアスティに助け船を出した。
「そういえばニボシも、何故か焼き魚と干物だけは格別に作るの上手くてさ。クエストで一緒に行動してないときでも、ちょくちょくご馳走になってるんだ。昨日も土産の干物ありがとな。あの地方の珍しい魚、朝メシに美味しく頂いたから」
「朝ご飯に出たアレ、珍しい魚なの? 確かに凄く美味しかったけど」
「……そこの炎上女と一緒に食ったのカ?」
「……そういえば、朝起きたときから一緒にいたという話でしたね」
アカン。ニボシをからかう材料も出してイーブンにするつもりが、さらに火種を投下しただけだ、これ。
ちなみに朝メシは魚の干物とミソ汁、そして主食はふっくらモチモチのジパン米……古代文明より続くとされる、伝統的な『ジパン料理』の朝食メニューでした。やっぱりヒト族は米だよな、米。いやパンも普通に好きだけども。
などと若干の現実逃避をしたところで、零れた水は器に還らず。女性陣の間で再び火花が散った。険悪な感じはないのが救いだ。もしかして、俺を話のダシにして親睦を深めてるとか? いや、なんにしても俺の胃には優しくない緊張感だ。
なんとかしてくれ、と俺は我関せずとサンドイッチに舌鼓を打ってるガリウスに視線で救援を求めた。
ガリウスは「ヤレヤレ、しょうがねえヤツだな」と言わんばかりのムカつく笑顔をしつつも、敢えて場の空気を読まずに話題を変えてくれた。
「しっかし聖騎士の連中、全然追いついてこないよな? 上層のマモノにそこまで手こずってんのか? いつもあれだけ絶対強者ぶって偉そうにしてるのによお」
「そう、ですね。仮に聖騎士一人一人の技量が私たちに劣るとしても、数に頼ればそろそろこちらに追いついても不思議ではないと思うのですが」
「案外、オイラたちが袋のネズミだと信じ切って、根を上げて出てくるのをずっと地上で待ち構えてたりしてナ。だとしたら、聖騎士たちは出てこないオイラたちを延々と待ち続けて、相当笑える絵面になるゾ」
「ありそうだから困るな……いや、むしろ好都合なんだが」
俺がアテにしている転移の手段は、教団には決して知り得ないものだ。つーか、知っていたならとっくの昔に大騒ぎになっているはず。
なにせ、教団がマモノと同列に『人類の敵』呼ばわりしているヤツだからな……
「それにしても、なぜ教団は聖都中の住民を洗脳するなどという暴挙に出てまで、タスクのことを排除しようとしたのでしょうか? 教団は闇の力を忌むべきモノと定めていますが、《聖騎士》に至るための中間職業として《暗黒騎士》の存在を容認してもいたはず。なんの審議も通告もなく即座に処刑の強行など、明らかに度を越えています」
「タスクが新しく手に入れたスキル……【真なる闇の力】についてはここまでの道すがら聞いたけどサ。大した力だとは思うけど、教団がここまで性急かつ強引な手段に出る理由としては不十分だよナ」
「俺にもその辺りはサッパリだ。【真なる闇の力】を手に入れた昨日の今日で、いきなり異端認定だぞ? なにがなんだか。強いて言うなら、スキルがどうこうより、闇の力が圧倒的に増大したこと自体を問題視しているのか……」
まず、教団が【真なる闇の力】の存在を知っているのかが疑問だ。
このスキルについて詳しく知っているなら、むしろ追撃が手緩すぎるように思う。
第一、俺一人のスキル獲得をわざわざ監視し、察知できるものなのか。
それよりは、なんらかの手段で闇の力を計測していて、俺の反応が一晩で大幅に増大したのを察知した――という可能性の方がまだ考えられるだろう。
そうやって議論を交わす中、ガリウスが俺たちより長い首をかしげて呟いた。
「ふと気になったんだけどよお、そもそも光の力とか闇の力ってなんなんだ? いや、聖なる光だの邪悪な闇だのとはよく聞くけどな? 俺は《暗黒騎士》であるタスクを邪悪だなんて感じたことはねえし、聖騎士どもは今回の洗脳騒ぎだ。冷静に考えて見ると俺ぁ、この二つの力について詳しいことはなんにも知らねえんだよ」
なにげない問いかけに、俺たちは一瞬言葉を詰まらせた。
そういえば、《聖騎士》や《僧侶》みたいな光の力の使い手は、他のジョブより遥かに数が少ない。従って光の力について、その実態は詳しく認知されていないのだ。当然、マモノの他は《暗黒騎士》しか使う者がいない闇の力も。
こいつは迂闊だったな。自分が当たり前に使っていたから思い至らなかった。
「改めて考えると、私も光の力や闇の力について多くは知りません。魔力の派生形、というくらいの認識でしたが」
「ふっふーん。概ねはその認識で間違ってないゾ? なんたってオイラはクエストで、タスクと一緒に戦う機会も多かったから詳しいんダ。互いに背中を預け合って、誰よりも近い場所で、タスクが戦う姿を見てきたからナ」
「背中合わせてたら普通見えないんじゃない?」
「そこは言葉の綾だからほっとけヨ!」
自慢げなニボシにフラムの茶々が入りつつ、俺とニボシで解説を始める。
「えっと、まず魔力についてはわかるよな、ガリウス?」
「そこまで馬鹿じゃねえぞ、オイ! ええと、アレだ。俺たちがスキルやアーツ、要は異能の力を使うためのエネルギー……だよな?」
「元々は《魔導士》の学者が提唱した概念で、一般的に精神エネルギーである気力と、生命エネルギーである体力の化合物が魔力だと言われていますね。魔法だとここに《マナ》の概念が加わりますが、それは一旦置いておきましょう」
「そうだ。異能が世界に自分の意志を具現化する術なら、魔力とは言わば『個』である自分と『全』である世界を繋ぐ力」
「世界を己の一部とし、あるいは己を世界の一部とすることで、一個人の意志を世界に事象として反映させる。それが異能の大まかな仕組みであり、それを可能とするエネルギーが魔力。生命と魂に秘められた無限の可能性ってヤツだナ」
異能とは突き詰めれば、「世界を掌握し、意のままに改変する力」とも言い表せるだろう。実際、最上位クラスのスキルには天候を操り、地形すら変貌させる規模の力があるとか。まあ本でしか見聞きしたことがない、伝承や言い伝えレベルの話だ。
――ヒト族以外であれば一度、使っているのを見たことがあるんだが。
「とはいえ、魔力も異能も万能の奇跡ってわけじゃない。ヒトの創造主たる《テラ》が作り出した、あくまでも体系ある技術。制約もあれば上限もある。単純な話、気合だとか意志の力だとかで、スキルの性能が変動したりは普通しない」
「そりゃあ、そうだろうな。気合や根性でスキルがパワーアップするなら、誰だって苦労はしねえだろうよ」
「同じスキルやアーツで差異が生じるとすれば、それはあくまで使い手の技量によるもの。機転や創意工夫などで勝敗を覆すならともかく、スキルの性能差そのものが精神論で覆ることはありえません。……まさか、光の力や闇の力ではそれが違うと?」
「そ・こ・が、光の力と闇の力の特質でナ。この二つは、『個の意志を世界に反映させる』という性質が非常に強い魔力なんだヨ。使い手の精神状態や感情に大きく呼応してエネルギーを増幅し、異能の規模・規格を拡大する。それも理論上、無尽蔵にナ」
「早い話が、光の力や闇の力で発揮されるスキルは、通常のスキルより性能の上限が比べものにならないほど高いってことだ。だからこそ数多あるジョブの中でも《聖騎士》は別格として扱われ、光の力を崇拝する教団なんてモノが成り立っている」
光の力にせよ闇の力にせよ、明確な獲得条件はわかっていない。
つーか、教団じゃ『神に選ばれし貴く清浄なる魂が』云々と抽象的な説明しかなかったし、俺は聖騎士への昇格を蹴ったから、光の力についてよく知らないのだ。訊いたところで教えてくれる相手もいないしな。
闇の力を獲得したきっかけには心当たりがあるが……他の聖騎士やその候補が皆、俺と同じ経験をしているとも考え難い。
「なんというか、聞けば聞くほど、大きな落とし穴がありそうな話ですね」
「そうだなあ。これだけ持ち上げられると、でっかいオチがありますって前フリにしか聞こえねえぞ?」
「それ、大正解だヨ。――この二つの力は使い手の精神に大きく呼応する反面、使い手の精神を蝕む反作用があるのサ」
「強い力を引き出すほど、その反動で精神に異常をきたす危険性が大きくなる。たとえば闇の力は激しい感情や欲望……特に怒りを始めとした負の感情と欲望に呼応して力を高める。その一方で感情と欲望を刺激し、増幅させもする。相乗効果で際限なく感情や欲望が膨れ上がり、待っているのは破滅だ。人間性を失い、身も心も怪物と成り果てる」
深い深い黒の意志で、自分色に世界を塗り潰す。それが闇の力の本質だ。
自分の願望を、欲望を世界に押し通したいというエゴから生まれ出る力。
そのために闇は使い手の我欲を増幅し、世界を呑み込むほどにまで膨れ上がらせようとする。
おとぎ話に登場する闇の魔王が、世界征服なんて企むのも道理というわけだ。
「破滅って、お前そんな力を使って大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫に決まってるわよ。だからこその【真なる闇の力】なんでしょう」
慌てた顔で身を乗り出すガリウスに、俺ではなくフラムが即答を返した。
やけに自信満々の、俺以上の確信を持った声で言い切る。
「考えても見なさいよ。怒り、妬み、求め、怠け、傲り、貪り、色気づく……それってヒトなら誰でも抱えてる、当たり前の感情でしょう? 大切なのは、それに振り回されずコントロールすること。力の手綱を握る強い意志よ」
語りながら、フラムはその手に黒い炎を躍らせた。
彼女の秘めたる憤怒を表すように激しく燃える黒炎。しかし自身の手に火傷一つ負わせないのは勿論、舞う火の粉が俺たちに害を及ぼすこともない。
感情のまま暴虐を撒き散らしたりしない、洗練された憤怒の在り方は、まさに強い意志によって完璧に掌握した闇黒の力だ。
「怒りや憎しみを否定するんじゃなくて、前に進むための武器に変える。タスクはずっとそうやって戦ってきた。怒りを力の源にしながら、自分の戦うべき敵を見失ったりせず、ときには誰かのためにこそ憤怒を振るう。そんな強さを持つこいつだからこそ、闇の力を正しく使えると認められたんじゃない?」
「『試練を越えた者に相応しい力を与える』――スキルの大原則だっけか。タスクにこれまでかかっていた呪縛が、闇の力を制御できるだけの強さを培うための試練だったとすれば、あのデタラメな力にもまあ納得がいくわな!」
「オイオイ、本当に今の説明で納得できたのか?」
「バッカ野郎、誰がお前さんの装備を手入れしてやってると思ってやがる? お前さんがどれだけ苦難の毎日を乗り越えてきたか、俺が一番よく知ってるっつーの。その末に力を掴み取ったお前の強さを、誰が疑うモンか」
男らしく胸をドンと叩いて、ガリウスは笑う。
この男気! うっかり兄貴とか呼びたくなりそうだ。
つーか、俺が巻き添えにしたも同然の状況下でそういうこと言われると、目頭が熱くなってくるから勘弁して欲しい。
闇の力というだけで偏見を抱かない理解者の有難味を、俺は再認識する。
しかし一方で、同じ理解者であるニボシとアスティがフラムを見る目は懐疑的だった。
「また、随分とタスクのことを理解しているような口ぶりだナ。タスクにとっては初対面のはずなのに、一方的にタスクのことを知ってるとか……ストーカーなのカ?」
「誰がストーカーよ!」
「ですが、あなたの言動が不可解な点ばかりなのも事実です。秘密があるのはお互いさまと言っても、限度というものがあるでしょう」
疑っているのはフラムの弁じゃなくて、フラム自身の素性か。
無理もない。何者なのか、どういう目的で俺と行動を共にしているのか、ここまで結局はぐらかされっ放しだからな。二人が警戒するのも当然で、俺が暢気すぎるんだろう。
――それがわかった上で、俺はフラムを庇うように二人を手で制した。
「あー。こいつを怪しむのも当然なんだが、もう少しの間だけ大目に見てくれないか? ここまで力になってくれてるのも事実だし、なにかあれば俺が責任持つからさ」
「昨日今日会ったばかりだっていう相手に、随分と肩入れするんだナ?」
「その理由について、未だに納得のいく説明を頂いていないのですが?」
「いや、本当に俺自身、上手く説明できなくて困ってるんだがな?」
なにせ不遇な扱いの《暗黒騎士》を続けてきた理由と同じ、確証のない確信だ。
ただの直感。だがガリウスたちと出会うより前、たった一人で足掻いていた頃から何度も俺の命を救った、信頼を置く武器だ。だから俺は俺の直感を無視できない。
「闇の力を使っている影響なのか、俺は悪意に酷く敏感でね。こいつがなにか裏でろくでもないことを企んでいるようなら、とっくにわかるはずなんだ。でも、こいつからそんな感じは全然しなくて、むしろ妙に放っとけないっつーか。強いて言うなら、そう」
「強いて言うなら、なんです?」
「なんだヨ?」
「……父性を刺激される、的な?」
サンドイッチを食べる間の幼い表情のせいもあってか、そんな庇護欲めいた気持ちが俺の中に芽生えていた。それこそ、行く当てのない迷子でも拾ったかのような。
我ながらどうなんだという発言に、二人の顔もちょっと同情的になる。
同情されたフラムはといえば――なぜか酷く驚いた顔をした後、これまたどういうわけか嬉しそうに、そしてどこか切なそうに口元を綻ばせた。
「ふーん。そう、あんたはそう感じたのね」
「イヤイヤ、その思わせぶりな笑みはなんなんだよ? いい加減、俺もアレコレ問い詰めたくなってくるんだが?」
「そう怖い顔しなくても、直にわかるわよ。具体的に言うと明日には」
「思いの外すぐだった!?」
「……それはもしかして、この下に潜っていけば自ずとわかる、って話なのカ?」
「さあ? 一つだけ、先に断言させてもらうなら――私は誰よりもこいつの味方で、タスクを裏切るような真似はしない。それだけは絶対よ」
言って、サンドイッチの最後の一口を平らげたフラムは立ち上がる。知りたいならさっさと先に進むぞ、ということか。元々一人用だった量を分け合ったため、会話の間に全員が食事を終えていた。
手早く準備を整え、フラムに先導されるような形で進行を再開する。
「こういうことはあまり言いたくありませんが……贔屓されてませんか?」
「贔屓されてるよナ~。オイラたちの方が付き合いは長いはずなのにナ~」
俺の後ろに陣取った二人の不満げな視線が、プスプスと背中に突き刺さる。
なんだこの状況。俺にどうしろというのか。
思い悩む俺に、隣のガリウスが大きな手で肩を叩いてきた。
「モテる男は辛いなぁ、オイ」
「他人事だと思って、なに楽しそうにしてやがる。いや、ガリウスからすれば、俺ばっかり女に囲まれてるようで面白くないかもだが」
「知ってるか? タスク。…………恋愛ってのはな、他人のそれを横からニマニマ眺めるのが、一番安全で楽しいんだぜ!」
「観客気分かよ、この冷血野郎!」
「残念、リザードマンは歴とした恒温動物だぞ?」
「知るか!」
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