第7話 雷剣のクリエラ⁈
僕がですね、ミリアどころか、他国の姫とも婚約していることを知った、4人の女性兵。
で、その中の1人が
「光様はいったい、何者なんですか!」
「えっ?べ、別に普通の男ですけど‥‥‥」
「普通の男が姫様と婚約など。しかも他国の姫様までと婚約を。いったい光様は何者なんですか!」
女性兵の4人の皆さんは、僕に食ってかかって、この同じ様な会話を二、三回繰り返しましたよ。で、で、それに見兼ねた悪亜がですね、
「光は後4人の婚約者が居るのよ。あっ、で七人目が私ね」
サラッと言いましたよ。サラッと。しかし最期の所は違いますからねと、修正かけましたので。(悪亜が恨めしそうに僕を見ましたけど)
で、仕方なく女性兵の人達に、簡単に今までの事を説明しました。
「「「「‥‥‥‥‥‥」」」」
「あ、あの〜う。わかってもらえました?」
で、1人の女性兵が
「‥‥‥はあ〜っ。あのプリム小国の2人の姫様とも‥ですか‥‥」
「え、ええ。そうです。申し訳ないんですけど」
て、僕が頭を下げて、言葉の最後に謝る言葉を入れたら、女性兵の人達は目を点にして驚いてます。
まあ、このグリーングリーンワールドは女性の立ち位置はやはり低いですよね。
それは国の姫様でも変わらないと、前にイレイが言ってました。
で、僕が「何故?」て聞いたんです。
「今だに男の人が少ないんです」
なんでも、男女比が3:7ぐらいだとか。
これはプリム小国だけではなく、アレム大国にしろガルバディ帝国にしろ、変わらないと。
けど、なんでこんなにも男女比が偏ったかはわかりません。
戦争後ならわかりますけど。
その戦争だって、約二百年前にはほぼ終結しているはずなんです。(この、「はず」とは、国王の目の届かない、小さな戦争はあちらこちらでしている)
だから、この世界は一夫多妻なのかと。
だから、貴族の男の大半が、わがままで、自己中心的、そして女性を物の様に扱う。
だから、僕みたいに女性に対して優しく接し、自分の非を認め、女性に頭を下げる男は珍しいんだと。
で、1人の女性兵が、ポツリとつぶやいたんです。
「もし姫様と婚約してない、付き合ってなければ、私が結婚を申し込んでいたかも」
それを聞いて、僕は一瞬ピクリと反応して、そして硬直します。
だってですねぇー、ミリアとメイルのあの反応。いえ、僕は見ましたよ。あの2人のあの顔を。
言葉では言い表す事は出来ません。出来ませんよお〜。怖くて。
で!悪亜はと言うと。
「光は私の物だから!手を出したらだめよ」
なあ〜んて言って来ましたよ。
てか、いつ悪亜の物になったんだよ!僕わ!
本当に、この手の話に悪亜が絡むと、とんでもない方に話が行きそうなので、
「そ、そういえば僕の婚約者の中にも女性兵がいるんだよ」
「えっ!光様の婚約者に女性兵がいるのですか!」
僕はこの時、「しまった!」と後悔しました。
だってですねぇ、この僕が言った言葉に女性兵の4人は、僕が見てもわかるぐらい目を輝かせてますよ。
もしかしたら、自分にもチャンスがあるのではと。
「光様のその女性兵は、どの様な方ですか?」
明らかに女性兵達の目がハートになりかかってますよ。今回僕はなにもしてないんですが。
で、
「う、うん。プリム小国のクリエラ=レ=マシュウて言うんだけど‥‥‥」
「「「「‥‥‥えっ!」」」」
クリエラの名を出した途端、女性兵の目のハートがいきなり怯える様な目になります。
「光様!プリム小国のクリエラ=レ=マシュウですかあああ!」
「えっ!う、うん。そうだけど‥」
「あの雷剣のクリエラですかあああ!」
「へえ?雷剣?」
僕は驚きましたよ!クリエラにそんな呼び名があったなんて!
まあ、確かにクリエラはプリム小国内では一二を争う程の剣の達人。
それよりもクリエラ、他国にまで名が広まっているとは。
僕は女性兵に聞きました。どうしてクリエラを知っているのかを。
「女性兵の憧れです。と言うか、目標です」
「そうです!しかもあの方は怒ると、男性兵を一人で五十人は倒されたとも聞きます」
「ご、五十人!」
それは僕も初耳です。
しかし、クリエラは女性兵、しかも他国の女性兵からも慕われていたのか。
けど、僕の前ではそんなそぶりは見せないんですよね‥‥‥
まあ、クリエラのあの、惚れたら一途の性格ですからね。
けど、確かに剣の腕前は凄いです。
つい最近、朝稽古のクリエラを見たんですが
剣を振る姿は、流石、型にはまってます。
剣を振ると、空気を切る感じなんです。
普通「ヒュン!」て音なんですが、クリエラの場合は、「シュン!」と音が僅かしか聞こえないんです。
これは何を意味するかと言うと、剣を振ると僅かに剣がぶれるとか。しかしクリエラはブレがないんです。剣の。
しかもクリエラの剣の動きを見た人は皆んな、まるで雷のようだと。
「だから、雷剣か‥‥‥」
僕が腕を組んで頷いていたら、
「後ですね、プリム小国にはもう一人の剣の達人がいるんですよ」
と、一人の女性兵が言って来たので、僕はもしやと、
「ライミさんかな?」
「えっ!光様はあの疾風のライミもご存知なんですか!」
驚いてますよ。また。
けど、ライミさんが疾風とは‥‥‥。
まあ、あのライミさんの体全体の動きからは、「疾風」はしっくりときますけどね。
とりあえず、今度、二人に聞いてみようと僕が考えていると、悪亜が
「光!今日一日は私だけの光のはず」
「えっ?ち、ちょっと!デートだけのはず‥‥‥」
「むう〜!」
睨んできてますよ〜、悪亜さんが!
で、僕は悪亜を連れて席を立ち、角の人が居ない席に移動します。
「ミリア姫様、あの悪亜と言う女性、本当に光様の婚約者ではないんですよね」
「ええ。そうですわよ」
女性兵の4人は不思議がってます。
やはり、側からみると‥‥‥ね。
そんな中で、一人の女性兵が
「ミリア姫様。失礼かと思いますが、ご相談したいことがあるのですが‥」
「相談?なんでしょうか?」
その女性兵は、胸ポケットからある紙をミリアの前に出した。
その紙とは‥‥‥。
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