第4話 気づかなかった
ベルガーの街へと繰り出した僕と悪亜。
因みにこの街は、アレム大国の首都アレムの街並みに何処と無く似ているんですよ。
建物の作りとか、建物の並びとか。
て、言っても、このグリーングリーンワールドは、僕が元いた世界に比べて、魔法以外の技術の進歩は然程進んでなく、中世のヨーロッパよりも少し劣るぐらい。
だからでしょうかねー、街並みがアレムやガルバディが似て来てしまうのは。
けどですね、建物は何処と無く違います。
アレム大国は、建物の屋根の色がカラフルなんですよ。赤、青、緑など。取れる材料が多分、豊富なんでしょうね。
で、ガルバディ帝国は、材料がアレム大国に比べて然程豊富でなく、屋根の色は、黒と白と茶のみ。後、アレム大国はレンガだけで建物を作っているのに対して、ガルバディ帝国は、レンガと木で作ってありますよ。
なんて言えば‥‥‥そう!一階と二階の間に木が挟んであるんです。僕が思うにそのまま上にレンガを積み上げただけでは地震とか来た時に、崩れ落ちるのでは。まあ、木が滑り止めみたいなのと、揺れを吸収する役目をしているのではと。
「若干だけど、ガルバディのが技術的にはアレムより上かな」
「光‥‥‥?」
なあ〜て独り言を言っていたので、僕の横で一緒に歩いていた悪亜が、心配そうな顔をして僕に言ってきました。
「えっ?‥あっ!何でもないよ。うん」
「?」
「そ、それにしてもここの街中は凄い建物かいっぱいだね」
「?‥‥そう?まあ、確かに500年前に比べたら建物の数は多くなってますけど、建物の構造自体は、然程変わらないかと思うんだけど」
「えっ?変わらないの?500年前と?」
「ええ。少しは進歩しているとこもありますけど‥‥‥」
500年前とは技術の進歩は余りないのか。そう言えば、アレム大国やプリム小国にしても建物の構造は昔と余り変わらないとイレイが前に言っていたっけ。
やはり、魔法やスキルみたいな力がある世界だと、物を作る技術とかは進歩しなくなってしまうんですかね〜。
なんて、考えてる僕の顔を除く悪亜。朝日を浴びた白銀の綺麗な髪をなびかせ、優しい目を僕の目の前に置くと
「光どうしたの?」
「えっ?‥‥‥なあっ!」
いやあ〜、驚きますよ。だって気づくとあの美人てスタイルの良い悪亜の顔が目の前にあるんですから。一瞬、ドキッ!としましたよ。
「あ、あ、悪亜。お、お腹すかない?」
「えっ?‥そうねぇ。まだ朝ごはんまだだったし‥じゃあ何処かで食べましょう!」
悪亜は僕の腕を掴むと、いきなり引っ張り、何処かのお店に入りましょう、と言ってきましたよ。万遍な笑顔を僕に向けて。だから僕は、またまたドキッ!ドキッ!としましたよ。だってですねー、あんな美人顔の悪亜の笑顔をみせられてはね。
で、僕は思っちゃいましたよ。この笑顔に500年前の僕は惚れたのでは?と。まあ、この気持ちは間違いないかと。だってですね、来た世界が違えど、中身は一緒の500年前の僕と今の僕ですから。
もし、イレイ達が居なかったら僕も悪亜と、て考えてしまいましたよ。
けど‥‥‥なんですかねぇー。先程から僕の背中にチクチクと、視線を感じるんですよ。チクチクとね。
『もおおう!光様!そんなにベタベタと!』
『本当ですわよお!あっ!また!』
この時、僕はきずきませんでした。2人に尾行されていたのを。メイルとミリアに尾行されていたのを。
てか、今回はお約束はなく、いやあ〜よかったよかった?て、この終わり方、次回はお約束が発動?
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