第4話ゴキブリのフライ
私の所属している部署では、グルメ雑誌にのせる特集記事の企画コンペが実施されていた。
希望者は自由に参加できる。
コンペで勝ち抜けば、自分のグルメ企画を通し、雑誌にメインページをもらうチャンスだ。
誰もがこぞって自慢のアイディアをレポートにし提出していた。
私だって例外じゃなく、やりたい企画はたくさんあった。
ラーメン特集、とんかつ特集、街の口コミで美味しいと評判のお店特集……。
だけど、参加することに躊躇していたのは、アイディアがどれもありきたりで、新鮮味もなく、「それ面白い!やってみたい!」と高評価してもらえる自信がないからだ。
人からの評価は私にとって、命。低評価されるのが見える勝負は初めからしたくない。
もちろん、独創的なアイディが湧かないわけじゃなかったけど、それを提出するのは恥ずかしかった。
タイで食べられているゴキブリフライの特集がしたいなんて、死んでも言えない。
「なんだ、これ?」と馬鹿にされるのも怖かったし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます