〔告白〕


中学3年の冬 毎年恒例の球技大会が始まった


メインは男子のサッカー大会


クラス対抗 負けたら終わりのトーナメント戦


クラスは違えど 想いは 同じ


この仲間達で挑む 最後の競技


勝って 有終の美を飾りたい


それぞれの想いを抱きながら 試合は進む


勝って手を取り 歓喜する男子


負けて抱き合い 涙する女子


優勝は 僕ら 3年2組


放課後 クラスの女子に 呼び出された


優勝のお祝いを 渡したいと


頭が良くて クラスでもあまり目立たない 大人しい女の子


「優勝おめでとう、カッコ良かった…」


彼女が差し出したのは 小さな袋に入ったチョコレート


「ありがとう」


誰も居ない 体育館の横


夕陽が 彼女の横顔を照らす


赤く 染まった彼女の唇から


小さな声が 漏れる


「好きな娘…いるの…?」


下を向いたまま 僕の返事を待つ 彼女


「うん…いる…」


彼女の体が「ピクッ」と揺らぐ


「私…の知ってる娘…?誰か…教えて…」


唇を噛みしめ 目に涙を溜めながら 絞り出したその問いに


僕は 目の前にいる


その娘の名前を 呟いた…



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