〔時を刻む音〕

〔時を刻む音〕



海を見ていた


何を考えるでも無く


ただ なんとなく


時を刻む秒針のように


打ち寄せては返す 波の音


時が経つにつれ 穏やかだった波の中から


鋭く尖った 牙のような岩たちが 顔を出す


まるで自分の正体を現すかのように


その岩のふもとでは


小さな生き物達が


生きるために 命を賭けて戦っている


やがて 全てを晒した海は


その牙を隠すかのように


静かに 波で覆っていった


そして その波は


これからも静かに 時を刻む


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