なんて事はない、よくある話のやつ

黒猫

第1話 初

ウチの学校には、マドンナ的存在の女子が居る。

その名も中川玲奈なかがわれな

2年2組、銀色ロング、目がぱっちり、まあ胸はない。

殆どの男子生徒が彼女に好意を寄せ、どんなにイケメンが告白しても振られるという

防御力がとてつもなく堅い女子だ。

男子にデレた所を見た事がなく、レズなのでは?という噂がたと程のものだ。


まあ、ここまでこう説明したが俺からすれば心底どうでもいい。フーン、あっそうレベルである。



男子の話題はマドンナの話しかないのでボッチやってます。


昼休みになり、購買へパンと飲み物を買いに行こうとした所噂の彼女が扉の前にいた。


真壁慎介まかべしんすけ君って何処に居ますか?」


なんで、俺の名前知ってんの…怖いんだけど。まあ、俺の名前を知ってる奴なんて居ないだろうしこの人も俺って事わかってないだろうから知らない顔して通り過ぎようとしたら首根っこを掴まれた。


「ヴァッ!!」

変な声出たやんけ…

ってかこの人俺のこと知ってて聞きやがったな…


「それで、みんなのアイドル中川さんが僕に何か用事ですか?」


出来るだけ不機嫌そうに話す。


「もぉ〜、そんなに不機嫌にならないでよ〜。お弁当持ってきたから一緒に食べよう?」


「は?」


「「「はぁ????」」」


そうだよね?その反応待ってました。

ってか始めて会ったのにお弁当作ってきた?怖いんだけど…



「あの…なんで初対面なのにこんなことするんですか…?」


「あー、そっか確かにこうやって話すのは初めてだね。」


話してないけど知ってる?どういう事だ?


「分からないって顔だね。まあそっか入学式の時ずっと寝てたもんね〜」


なんで知ってんの怖い。

「なんでって私がおめでとうの言葉言ったからじゃん」

心を読まれている…、まさか地球外せいめi

「違うから、好きな人のことはなんとなくわかるってヤツだから」


「こんなつまらない奴の何処がいいんですか…」

どーせ、新入生をからかって落としにきたんでしょう?もう俺以外の人は落ちてますよ。


「君の全てがダルそうな目さらに雰囲気。食べたくなっちゃうような匂い

そして、その髪型。寝癖直さないでくるからいつも楽しませて貰ってるんだ。」

なに?ストーカーなの?警察沙汰だよ?


「違うって、生徒会室から見えるのそれと、別にカニバリズム系の物じゃなくて性的な方で!!」


最後のは触れてはいけない。気にしちゃダメだ

「生徒会員なんですねー」

「生徒会長だよっ」

えっへん!!と腕を組んでる。

ah…胸がないから残念デスネ。


「なにかな?」

「ナンデモナイデス…」

コワイヨォ…。


それよか、はよ逃げたい。

視線が、殺意が…学校来にくッ!

保健室の先生に相談しよう…


「ちょっと保健室行きたいんで、いい加減首から離して貰えます?」


「なに?保健室のベッドが良いの?仕方ないなー、ほんとは君の家が良いけどお姉さんが折れてあげるよ!!」


「そういう意味じゃねえよ!!」

思わずタメで言ってしまった?


「ああっ…良いもっともっと頂戴。」

もうやだこの人、どっちもいけるクチなのね…

お付きの人も困っちゃってるよ


「そろそろ、帰って頂けませんか」

「嫌〜」

指パッチンをすると何処からか黒子が現れ両腕をガッチリ掴まれた。


「何処から湧いて出たの!?ねえ、誰…」

「よっし、生徒会室まで連れてって」


「「御意」」


「助けて!!!」


人望のない奴が助けて貰えるはずもなく連れていかれてしまった。



「あの…なんでこんなことしてるんですか?」


抵抗する事を諦めて黒子さんに話しかけた。


「お嬢様の命令は絶対なのです。」

「なんで言いますか、ご苦労様です…」

「ありがとうございます。真壁様ご幸運をお祈り致します…」


お弁当食べるだけだよね?


「お待たせ〜」

本当に待ったわ…などと言えるはずもなく

「全然大丈夫ですよ」

と答えておいた。


早速中川先輩がお弁当を広げた。

「凄い綺麗ですね」

「ありがとう、お肌の手入れは欠かさずやってるからね〜」

「違います、お弁当の方です…」

なんで、弁当広げといてあんたに綺麗だって言わなあかんねん。


「はい、あーん」

「いえ、自分で食べれます」

「あー」

有無を言わさぬ感じだったので大人しく従った。


「!!!」


見た目は凄く美味しそうなのに…この世のモノとは思えない味だ。


ご幸運をお祈り致しますって、これか。

だが自分の為に作ってくれたものを不味いと言って残すほど腐ったない。


味が伝わる前に一気にかきこんだ。


「ご、ご馳走さま…でした…」

「あらあら、いっぱい食べたら眠くなっちゃったの?膝枕してあげる」


抵抗する体力もなくされるがままになっていた。

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