私の人生はあなたの人生

@omisuko

第1話 始まりはきっとあの日

カキーンッ!

あの音が今でも心の中に鮮明に残っている。あの日は夏の暑い日、私は都内の学校に通う普通の高校2年生。


いつものように朝、家を出て授業をぼーっと聞いて、最後のホームルームが終わると同時に、走ってグラウンドに向かった。


私は公立高校のソフトボール部だった。気づいたらいつも野球部を見ていた。

私にとって野球は自分を奮い立たせるための最高のスポーツだった為に野球部からいつも元気をもらっていた。


野球好きのお父さんの影響で小さい頃から野球が側にあって、小学生の頃に男の子に混じって野球を始めた。


高校生になって、お父さんに母校に連れたのがきっと私の人生を大きく変える出来事だったんだと今では思う。


その日は高校二年生の夏休みで、唯一の部活のないお盆休み。

「すずねの高校の野球部程度でかっこいいだって??お父さんの母校の野球部連れて行ってやる。」

また言ってる。心の中ではそんな風に思った。お父さんは小さい頃から野球をやっていて、高校では静岡県大会準優勝。

甲子園へは後一歩と言うところで負けてしまった話を小さい頃から何度も聞かされていた。母校愛がとても強いお父さんだった。


お父さんの母校は男子校だった為に、高校二年生の私が足を踏み込むのには少し勇気が必要だった。

高い建物の少ない場所に大きな学校とたくさんのグラウンドと体育館。


カキーンッ!あ、大好きな音だ。遠くのグラウンドから守備の声とバッティングの音が風に乗って聞こえてきた。

かっこいい。すごい。きっとそんなことを思ったことは覚えている。自分の高校の野球部とは比べ物にならないくらいうまくて、一生懸命で、かっこよかった。

目が熱くなって、私ももっとうまくなりたい。本気で思えた1日だった。


それから私は静岡県の高校野球が好きになり、時間があればお父さんと静岡に行った。


SNSで静岡の高校野球をやっている人とも関わりを持って、たくさんの人といろいろ話をし始めた。恋愛感情になることは全くなかった。

1人の人だけは違った。その人は私の運命の人だった。

何気ない会話。

「静岡の高校野球が好きなんでよかったら仲良くしてください」

その人は私より1つ下で、静岡の高校では甲子園常連校の人だった。





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