エロ漫画編集はじめました
ロールキャベツ牛乳
プロローグ
日本の縮図、経済、文化、人口、様々なものが集結する大都会、トーキョー。
この物語の主人公、タカシが目指した物も例に漏れず、トーキョーにあった。
「拝啓、おかん。僕はぼちぼち元気にやってます。憧れの出版社に就職して今日で一週間、毎日が楽しいです。やからおかんは安心してください。」
短めのメッセージをアプリケーションで送信して、タカシはオフィスへと足を運ぶ。
本名を戸梶孝
オフィスはホウジロ区のミナミホウジロ駅から徒歩5分、大手企業が並ぶビル街から奥まった位置にあるビルの階段を登った所にある。
「フォーカスライト」
と示された表札の真下にあるカードキーに社員証を通し、扉を開ける。
新入社員であるタカシはしっかりも1番出社だ。
ピカピカのPCのスイッチをONにして、タイムカードを切った後、会社の資料を読み込んでいく。
「うーん、未だに抵抗あるなぁ...。」
露出された体を絡め合う男女が描かれたコマが並ぶ。
PCが起動して安定したのを確認したタカシは資料を本棚へと戻す。
本棚はグラデーションのかかったロゴを背表紙にした書物でカラフルに彩られ、一見すると目がぱちぱちしそうである。
息を吐き、マウスカーソルをフォルダに合わせクリック。
スクリーンにはペイントソフトに張り出された原稿が写し出され、その中身はやはり男女の肌の露出が目立つ。
タカシが開いたフォルダ名は「エロマンガ_ケシ練習用」と名付られていた。
そろそろお分かり頂けただろうか?
タカシが就職したのはアダルトコミックを扱う出版社なのである。
この物語は一癖も二癖もある編集部でタカシとその周りが成長していく物語なのである...!
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