K△c⁶
奥野鷹弘
第χ話
むかしむかしあるところに・・
って、そんな昔じゃない。僕はさっきまで、自分のストレスで当たってしまった壊れたパソコンの前で鎮座をしている。
壊れたパソコンは時々、読み込みディスクらへんでひどい音がする。それ以前に、キーボードもタッチパネルセンサーでさえも認識せずに、パスワードロックが外れない。画面はすでに真っ二つに割れてたものの、外部接続される画面ディスプレイはむなしく、パソコンとしての様子を発揮してるように見せかけているだけ。動作もいじる前より、格段に読み込みが遅くなっていた。何一つとして悪いことなどパソコンはしていないのに、起動音だけがすすり泣くように部屋中に鳴り響く。
僕が部屋に引きこもるばかりに、パソコンは嫌なモノと埃を貯め込み過ぎて熱を出した。ちょうどその頃の僕も、自分の特性と向き合うべきに処方されている薬を上手に使えず、我がなるままに、パソコンの内部を開けて掃除をし始めた。最初は色々と気を付けていたものの、始めから自分自身が清心では無かったがために着実に故障への原因へと踏み入れていた。それに気付かない僕は、さらにさらにへと奥へ進み…呼吸が出来ていないことに気づいていなかった時には、もう手遅れ状態であった。
約3分前に迫っていた締め切りも、自分の欲のためだけに、目標であった皆勤賞を逃した。反省をするべき自分は、”逃したこと”だけを頭で一杯にしていた。
なにを”ノロい”というのか。なにが”ウソ”だというのか。なにをしたら”花咲か爺さん”になるのか。なにをしたら”欲張り”となってしまうのか・・。
亀が勝ったり、舌を切り取られる覚悟を感じてみたり、誰かを想って花を咲かす道を選んでみたり、自分の凸凹が両頬についてイヤになったり、夜に更けて月を眺めて考えたり、仲間を連れて財産を持って帰ってくるのもいいが他にはないのか、おにぎりの落ちた穴の先をどうするのか、みんなにからかいをされても揺るがない人生を紡ぐ針を持っているのか。
現実と現状と現在が複雑に絡み合って、身体を縛り上げた。
声が声にならない感情になっとき、部屋は無重力空間へと移り変わった。
無重力空間になったとすれば、それぞれがの物体がぶつかり合い粉々になっていくのは眼にも見えて確かなものだ。もちろん、部屋の中の出来事だからただ事ではない。もちろん宇宙だってそのように生まれたのだから、一人の人間が起こしても不思議ではない状況である…。
熱湯を注がれて3分で出来る簡単なインスタント食品さえ、物を用意をすれば、箸を持ったり、口に含んでおなかに満たすまでの時間に換算すれば、ほんの1秒の出来事なのだ。
だから、この文を書き進めていく過程でさえ・・僕にはもう”むかしむかし”話に移り変わっていく。頑張りたいとあの時云ったのは嘘ではないはずの、ウソであり、第3者からすれば・・・それぞれ観点からの「真実」。
K△c⁶ 奥野鷹弘 @takahiro_no_oku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます