第17話:ギルヴィア青天の霹靂


 * * * *


 アース国王城では、アリスフィーヌが魔物にと思い込み、彼女の亡骸だけでも・・・と動こうとして居た。


「・・・何時までもアリスフィーヌ嬢の亡骸を森に置いたままには出来ぬ。探して貰えるだろうか騎士団長殿」


「勿論に御座います。我が愚息も魔法によって分別が付かなかったとは言え、アリスフィーヌ様を置き去りにした事実は消えませぬ。命がけで探させましょう」


「たの・・・「お話し中申し訳ありません!大至急、書状をご確認下さいませ!!」一体、何事だ?」


 本来なら王の話を折ってしまうと不敬罪に問われるのだが、緊急事態の場合は除外されて居る。


 それ程、届いた書状は衝撃的なのだろうと判断した故の言葉だった。


「じゅ・・・獣人の王アルフレット様より書状が届いたのですが、封蝋が・・・」


 緊急事態の封蝋は黄土色と決められて居る。


 その為、中を確認しなくても判るようにはなって居るので受け取った書簡長でも緊急を要する内容だと一目で理解できた。


「・・・確かに緊急の書状だな。団長殿、捜索は待って貰えるだろうか?」


「待たせて頂きます」


 ペーパーナイフで開封して中身を確認して行く。


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            獣人の王国より通達


 我が息子ウィルが、そちらの令嬢アリスフィーヌを救い、

彼女の祖父宅へと無事に保護した事をお知らせする。


 それに伴い、アリスフィーヌ嬢はアリスフィーヌ・ウィルソン

と名を改めマシュー殿の養女となりウィルの婚約者となる事と

相成った。


 そちらの王国にてアリスフィーヌが受けた仕打ちをかんがみても

許しがたく、アリスとウィルの婚約式に招待する事は無い。


 それだけでなく、今まで通常通り行って居た交換留学も

停止させて貰う。


 国一番の魔術師を失った代償は重いと覚悟した方が良いぞ?


 我が国はウィル共々、アリスをしいたげた者たちへの

復讐を出来る準備を整えておく事となった。


 自らの発言には責任を持つべきだと心得よ


                      アルフレッド

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「なっ?!アリスフィーヌ嬢は、おったのか!?それだけでなく、侯爵では無く伯爵となり、ウィル王子と婚約だとぉ?!」


 信じられない情報が一気に流れ込んだからだろうか、全て秘匿の情報の筈なのにギルヴィアは自室のように口に出して驚いてしまう。


「「は?!」」


「アリスフィーヌ様は無事・・・?」


「ウィル王子と婚約!?」


 騎士団長は無事に驚き、書簡長は婚約を結ぶ相手に驚いたのだ。


 内心「しまった!」と思った王では有るが後の祭りとなったのは言うまでも無い

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