第1話 会話

「こいつは大丈夫なのか?」

金髪の髪をした男が聞く。

「ああ、きっとショックとディメンションホールを超えたことによる体への負担で寝込んでしまっているだけだ。直に目が覚めるだろう」

眼鏡をかけた男がそれに答える。

「それならいいのだが……それにしても、あいつらなんて酷いことをしやがる。まさか、あんなことをするなんて……俺たちが少しでも遅れてたらこの子も……」

「死。いやもっと大変なことになっていたかもしれんな」

「一体、俺たちはどうすればいいんだ?」

「変わらないさ。使命を全うするだけだ。代行者としてな。この子だってそうだ。代行者として」

そう言って白眼鏡の男は扉を開けて出て行った。

「代行者としてか……結局、俺たちはそれ以外に何も出来ないのかよ……レビン、お前もそう背負い込むなよ」

こうして金髪の男も扉を開け出て行った。

部屋には一人の少年と定期的な機械音を鳴らす装置だけが残った。

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