anti-killers ~Another Side of KillerSS~
@strider
Lesson01 最初の記憶
思い出すことのできる一番古い記憶は血みどろの惨劇だ。たった数分前まで母親と呼んでいた人の亡骸と、もはや原型をとどめていない赤黒い粘土細工のような父親を、俺は狭い箱の中から眺めていた。
そこからしばらく、俺の記憶は黒く乗り潰されていて、次に思い出せるのが、オアシスと呼ばれる施設での記憶だ。
当時の俺はまだ十歳になったばかりだったと思う。その施設は砂漠の真ん中に立っていて、三階建ての小屋のような場所だった。小屋とは言うが敷地はだだっ広くて、一階は何もない体育館のようなスペースで、二階には食堂やトレーニングマシンや風呂があって、三階は宿舎になっていた。
宿舎には二十ほどの部屋があって、それぞれに四人の子どもと、一人の監督者が入居していた。監督者は
俺たちの日常は社会勉強と訓練に費やされた。
社会勉強では、教材の映像を見せられて、いろいろな国の言語やマナーなどを中心に学んだ。これは楽しかった。勉強のあとであるテストに合格すれば、飴玉やチョコレートがもらえたからだ。
訓練はきつかった。
「今日は
週に一度、本部から
ドスッ、ドッ、ドスッ。腹や背中を殴打される音。
ジュッ、ビッ。ゴムナイフが肌をこすり、皮膚が焼ける音。
パスッ、パスッ。エアガンの玉が皮を弾けさせる音。
きつい訓練にも俺は音を上げたことがなかったが、この
負けたグループは
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